今から30年前の今頃、深夜にOAされていた泉麻人のウルトラ
倶楽部が喜ばれたのは以前も記したようにQでは製作順、セブン
では監督別のOAだったのに加え泉氏の解説があったからではな
いだろうか。
冒頭に作品解説といえば民放地上波でOAされていた映画番組
が有名でTBSが荻昌弘で日本TVは水野晴郎、フジTVは高島忠夫
でTV朝日は淀川長治といった人達が当日OAする作品の解説をし
てから本編に入るというスタイルが一般的だった。
その作品の出演者や監督などの話や見どころを説明してくれる
ので、予備知識を持つ事ができたのだ。
ところが当然の事ながらウルトラなどにはターゲットが子供と
いう事もあって そういう解説はなく、また夕方の再放送枠では
時間的な余裕もないというのが実情だろう。
ところがウルトラ倶楽部では最初の3分ほど泉氏の解説を聞か
れるわけで、クモ男爵の時に最後にセットが崩れる時にスタッフ
の手が見えるなど通常では分からないネタを教えてくれていた
のだ。
考えてみれば30年程前は大人がウルトラなどを見ていると白い
目で見られかねない時代だったのだが、この頃から大人でも特撮
やアニメファンだといっても恥ずかしくない時代になっていた事
もあるのではないか。
だからこそ深夜にOAされていたわけで、深夜枠だからこそ泉
氏の解説の時間まで確保できたのではないかと思うのだ。
ところが今度はデジタルリマスター版のDVDやBDが売り出され
たり、WOWOWなどでOAされるなどウルトラ倶楽部のような番組は
見られなくなったわけで泉麻人のウルトラ倶楽部はあの時代だっ
たからこその番組だろう。