ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
IMPOSSIBLE DREAM ジョージ・フォアマン45歳の奇跡
12年前の今日、11月12日はジョージ・フォアマンが 45歳で世界ヘビー級タイトルを奪回した日である。 遡る事20年前の10月に当時無敵だったフォアマンはザイールの首都・キンシャサでモハメッド・アリの挑戦を受け7Rまで圧倒しながら8Rに逆転KO負けしてタイトルを失い1年後に引退している。 87年にビア樽のような腹で復帰し、連勝を続け91年 4月にイベンダー・ホリフィールドに挑戦するが判定負けを喫した。 ただ世間は素晴らしいチャレンジと賞賛、93年6月に WBOチャンピオンのトミー・モリソンに挑戦するが、またもや判定で敗れ最早これまでと思われていた。 ちょうど94年に我が家はWOWOWに加入した事でフォアマンのラストチャレンジをライブで見られる事になった。 94年11月12日、相手はホリフィールドに判定勝ちしたマイケル・モーラー。ヘビー級にしては珍しいサウスポーでLヘビー級から上がって来ていたのだ。当然打たれ脆さはあるもののスピーディーなボクシングだからフォアマンは動きに翻弄されて無為に12Rを過ごすのではと思われていた。 試合が始まるとフォアマンは、左右ストレートのワンツーのみしか出さない。しかも軽くヒットするだけで打ち抜かないので打たれ脆いモーラーといえども効かないのだ。 この試合に備えて復帰後一番軽い体重で臨んでいるため 持ち前のパワーまで落ちてしまったのではと思われた。 しかも45歳という年齢だから攻撃するラウンドと流すラウンドを使い分けるため6Rまではポイント的にはモーラーが2 ポイントほどリードして進む。 問題の8R、20年前に自身がアリから逆転KOを喰ったラウンドに意を決して猛攻を加えるが2分過ぎから逆襲を喰い逆にダウン寸前。 9Rは流して迎えた10R、一緒に見ていた父が「こりゃジリ貧や」とお客さんと言っていたら突然フォアマンはこの試合で初めて左フックを思いっきり振り回し始めた。 当然モーラーには当たらないが当たったら最後KO間違いナシという左フックだ。1分半を過ぎるとモーラーは左フックの射程距離から離れて右が当たる射程距離に移動する。と、その時いきなりフォアマンが右ストレートを打ち抜いたのだ! 直撃されたモーラーは射殺されたように倒れ10カウントを聞いた。
奇跡の大逆転KO勝ちだった。
結局スピードで劣るフォアマンはサウスポーに有効な右ストレートを打ち抜いても外されるだけ。ならば軽く当てるだけのパンチでラウンドを進め10Rに入って初めてフルスイングの左フックを振るい始めた。 こうなるとモーラーは当たるとヤバイ左フックの当たる所よりも、今日のところは当たっても効かない右ストレートの当たる所に移動したわけで、そこに満を持して渾身の右ストレートを打ち抜いたのだからたまらない。見事な作戦勝ちだった。 20年前キンシャサで32歳のアリの策略にはまって敗れたフォアマンが 45歳になった20年後に若いチャンピオンを見事に策略にはめタイトルを奪回した。 ‘年を取るのは悪い事ではない’42歳でホリフィールドに挑戦して敗れた時のフォアマンのコメントだがまさしくその通り。 20年の歳月をかけて失った王座を取り返したフォアマンの凄さに感動したし、その試合をライブで見れた幸運に感謝するのだった。 現在私はフォアマンがホリフィールドに挑戦した時と同じ42歳、今更ながらフォアマンの偉大さが分かる。
« ウルトラマン... | 怪獣使い、余波 » |
感動しましたよ!
病気のアリが、この試合の前、インタビュアーの
「今日はフォアマンは勝てますか?」
との質問に一言だけ
「Old man.」
と答えていたのも印象的だったなぁ。。。
あの試合見られてましたか、万馬券を当てた気分でした
アリのインタビューは沢木耕太郎のNHKドキュメントでのインタビューですね。試合と、あのドキュメントを一緒に録画してますが併用して見ると感動も2倍です。
通から人がいなくなるくらい注目された、世紀の一戦でした。
下馬評は圧倒的にフォアマン有利。
前回のタイトルマッチでケン・ノートンを圧倒的に倒したフォアマン。
ヘビー級ボクシングの凄さを見せつけられました。
カシアス・クレイと言われた天才ボクサーも「もう、ダメだ」と思われた時・・・
「蝶が舞って蜂が刺す」
唖然としましたよ。
フォアマンはアリに倒された時の写真を自分の経営する
ジムに飾っているそうです。対戦相手へのオマージュと東洋風に言えば臥薪嘗胆ですか。
自分が倒された時にまさか20年後に反対の立場になるとは当時のフォアマンは考えもしなかったでしょうね。
やはりボブ・アラムは、それなりにフォアマンに対する
思い入れがあったのではと思いますよ。
カムバックしたフォアマンが、最初にビッグマッチを戦った時からプロモートしてたのがアラムでしたからね。