千樹 憐は意外に‘熱い’

 ウルトラマンネクサスのEXエピソードで活躍する憐は前回取り上げたように
ブラストショットを使って等身大のバグバズン・プルートを倒したりと通常より
アクティブなのだが、それ以上に印象的だったのが遊園地などで透明感のある
飄々としたキャラに見えた憐が意外に‘熱い’のだ。

 というのも高槻刑事が謎の男に襲われて入院している婚約者の秋子を見て
‘犯人を見つけたら絶対にぶん殴ってやる’と息巻く様子を見ながら同調する
シーンや、秋子を拉致した男を追いかける時に詩織が危ないからと警告した
ものの‘嫌だね、アイツ瑞生にケガさせたから殴り返す’と言い返すシーンが
ある。

 憐はご存知のようにプロメテウスプロジェクトから生まれたプロメテの子で
同じ境遇の者達とアカデミーで共同生活をしていたのだが、欠陥の体現者
だったため残り少ない命だった運命を抱えていたので周囲に極度の心配を
かけ続けている状況から逃避するためにアカデミーを脱走していた。

 だから自分の運命を受け入れざるを得ないという事で何かと達観した感じが
多かったのだが、その実よくよく考えるとアカデミー時代に寄宿舎から夜中に
抜け出して海を見に行こうとする。

 その時に吉良沢を誘うのだが吉良沢は予知能力で‘海へは辿り着けない’
と警告して断ると、最終的に捕まって帰ってきたものの海に辿り着いた証と
して貝殻を吉良沢に渡すシーンがあった。

 つまり憐は本来 自分の意志を どんな障害があろうと貫徹しようとする熱さが
あるという事が分かる。

 にも拘らず日本に来て それを出さなかったのは自らの運命を受け入れるしか
ない状況に追い込まれているからだろうし、それでも熱い地を出せたのは瑞生
を守りたいという気持ちからで アカデミーでの純粋培養されていたので表せ
なかった気持ちを高槻を見る事で影響されたのかもしれない。

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