男子バレー運命の9日間

 明日から男子バレーの北京五輪のアジア大陸予選&最終予選が始まる。
 92バルセロナ五輪以来の出場を目指す男子だが、正直言って前途は
厳しいと思わざるをえない。
 というのも現在ボールゲームの五輪種目(特に男子)はプロ。
 アテネ五輪で男子のボールゲームで出場できたのは、野球とサッカー
のみだった。

いずれもプロである。

 実はバルセロナで若手中心のメンバーにも拘らず、五輪連覇したアメリカ
や70年代後半から全く歯が立たなかった旧ソ連に勝って6位に入った後に、
松平康孝が

‘サッカーがプロ化するのだから、バレーもプロ化しよう。
特に男子はプロ化しないとメダルはおろか五輪出場すら
無理になる’

と提言していた。

 ところが企業はおろか選手達がプロ化を拒否して頓挫し、その混乱の中で
96アトランタの出場権を失うと00シドニーや04アテネと3大会連続で12年間も
世界の檜舞台から姿を消す事になった。

 例えば00シドニーの最終予選でアルゼンチンに敗れた時に、エースの加藤
陽一は‘アルゼンチンの選手達の殺気が凄かった。
彼らは五輪に出るか出られないかで、年俸が違うので目の色が違った’
とプロとアマの違いを痛感。
 イタリアに渡ってプロになろうとしたが、チームから提示された契約金は
200万で‘日本はバレーやっているのか?’などと酷評されたそうだ。
 未だにバレーは五輪の成績がモノを言う世界だから、五輪に出てない
日本の影が薄いのだ。
 いくら72ミュンヘンで金メダルを取ったからといっても、現在弱かったら話に
ならない。 

 ちなみに4年前の最終予選では、最終戦に韓国戦を持ってきて ‘最終戦
で、これまで勝てなかった韓国に勝って出場権獲得’を目論んだようだが、
その前にイランやオーストラリアにも敗れて最終戦の韓国戦が消化試合に
なってしまっていた。
 それでも韓国には勝って有終の美だけは飾ったが

‘アテネの出場権を取れなかったのは残念だが、
これまで勝てなかった韓国に勝てたのは嬉しい’

とメンバーの1人が耳を疑うコメントをしたのを聞いてガックリしたのを
覚えている。
 4年前のアジア代表はオーストラリア。

 今回も韓国以上にオーストラリアが難関として立ちはだかる可能性が
高いが、選手達に

‘今回出場権を取れなかったら男子バレーは

終わり’

という危機感があるのだろうか?

 少子化の現在、世界に通用しない種目は子供がやりたがらない傾向が
強いのだ。
 ラグビーの斜陽化が、95年のW杯でニュージーランドから17-145 で
惨敗してから加速した事を忘れてはならない。  

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 金城哲夫-円... サンダーマス... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。