ウルトラセブンEP４・マックス号応答せよ

　ウルトラヒーローが等身大で戦う初めてのEP。
　地球防衛軍は、怪事件捜査のために原子力船・マックス
号を投入する。
　マックス号にポインターで向かう時にかかるBGMが、全編
英語歌詞の’ULTRA７’。
　セブンが子供向けではないと知らしめる独特の歌だ。
　マックス号からの帰途ダンは、車の故障を装った女から
不意打ちを食って昏倒しウルトラアイを盗まれる。
　考えてみると前回に続いて2話連続で変身アイテムを盗ま
れるのだから、ダンも迂闊だ。しかも盗まれた相手は、いず
れも女なのだ。

　一方マックス号は、太平洋上を航行中に謎の赤い霧に包ま
れて宇宙空間へ運ばれた。
　マックス号の捜索は宇宙でも行われて、フルハシの乗った
ホーク2号が宇宙空間でマックス号を発見する。
　しかし船内で生き残っていたのは指揮官のタケナカ参謀と
アマギ・ソガの両隊員のみ。これはゴドラ星人の仕業だった。
　ゴドラ星人自体は決して強くなく、ウルトラガンで倒される
レベル。ただし数が多いのでアマギが観測ロケットで脱出する
ための準備中にゴドラ星人からジャマされ、辛うじて発進させ
る事に成功した。
　基地に収容されたアマギは瀕死の重傷だが、それでも地球へ
の帰還コースを間違えずに生還したのだ。こういう所で防衛軍
のエリート部隊であるウルトラ警備隊の凄さが分かる。

　基地にはフルハシに化けたゴドラ星人がホーク2号で帰還し
地下18階の動力室の原子炉に時限爆弾を仕掛けようとした所を
ダンから発見される。
　ウルトラアイを持ってないダンは、ウルトラガンで応戦しよ
うとするが星人のハサミの先から発射される霧をかけられ特殊
カプセルに閉じこめられる。そして今度はダンに変身して立ち
去った。このカプセルは後にウルトラ兄弟をブロンズ像に替え
たヒッポリト星人のカプセルと同型だ。

　やがて見張りのために、ダンからウルトラアイを奪った女が
動力室に現れた。ダンのカプセルの前に落ちていたアンヌから
貰ったペンダントを不思議そうに拾い上げる。
　そのペンダントにダンの撃ったビームが命中し、反射した光
線でカプセルが破壊された。内側からは絶対に破壊できないと
いうカプセルは、外側からはあっさりと破壊されたのだ。
　ダンは星人と格闘になった拍子に落ちたウルトラアイを拾い
変身、息を吹き返したアマギの指示で爆弾を止めに来たキリヤマ
を襲おうとした星人をエメリュウム光線で倒す。
　この時にセブンは「隊長、時限爆弾を早く」としゃべる。
　これはウルトラ兄弟の中では珍しいのだ。

　続いてアンヌを拉致しようとしたダンに化けた星人を追って
基地の外に出て戦う。
　ここで星人は初めて巨大化するが、再びエメリュウム光線で
敗退。ここで流れるBGMはボツになった主題歌で間奏の部分が
後にウルトラマンエースでゾフィのテーマとして使われた。
　星人を追ってポインターで到着した隊長から爆弾を受け取った
セブンは、宇宙空間のマックス号に向かう。
　そして3体の星人を倒してタケナカ・フルハシ・ソガの3名を
救出し、仕掛けた爆弾でマックス号を爆破して星人達を全滅させ
たのだった。

　通常侵略者は単体で来るケースが多いのだが、ゴドラ星人は
倒されただけで6体もいる。
　しかもこのEPでセブンは等身大と巨大化を使い分けて戦い、話
もするのだ。これは前作のウルトラマンや第2期のウルトラでも
使われてない特徴だ。
　制作順は4番目で、メイン監督である満田かずほ監督が最初に
演出した2本の１つ。
　だからホーク1号の発進シーンには、3話ではない「フォース・
ゲート・オープン」のオペレーターの声が入るが、この声が最初に
使われたのがこのEPだ。
　ウルトラセブンの世界が、ウルトラマンとは違い侵略者との丁々
発止の駆け引きが特徴となる指針になったEPでもある。