ボクシングの醍醐味を味あわせてくれた八重樫 東

八重樫、4度目の防衛に失敗=WBCフライ級(時事通信) - goo ニュース

 昨日 代々木第2体育館で行われたWBCフライ級タイトルマッチ
で、王者の八重樫東が元2階級制覇王者ローマン・ゴンサレスとの
壮絶な打ち合いの末に9RTKO負けでタイトルを失った。

 とはいえ試合が終わった直後から敗れた八重樫に対して場内から
万雷の拍手が送られたし、ネットのコメント欄でも八重樫の頑張り
に対する賞賛の声が殆どで批判するような声は皆無といっていい
ぐらいだった。

 これを見てボクシングファンがボクサー達に何を求めていたかが
分かるではないか。

 最近のボクシングは階級や団体が増えた事もあって日本人選手の
勝利が増えたのと引き換えに、かつての世界戦では当たり前だった
強豪同士の試合が あまり見られなくなってしまった。

 日本のボクシングファンは日本人選手が酷い内容で勝っても喜ば
ないどころか酷評する傾向があり、強敵との対戦を徹底的に避けて
長期間防衛したり複数階級制覇に拘るような者は勝ち続けても賞賛
しない。

 ところが視聴率の奴隷と化した民放地上波TV局は視聴率アップ
のためにスターを作ろうと、怪しげな戦績の相手を連れて来て連勝
させ複数階級制覇などの肩書きを持たせようと画策し遂には実力的
にも空辣な自称ボクサーまで生み出してしまった。

 これでは心あるボクシングファンからは総スカンを食い、人気が
低迷するのも当然だろう。

 格闘技の原点は より強い者を相手に死力を尽くして戦うからこそ
観客や視聴者の心を打つわけで昔の世界戦では当然だったのが、今
では珍しいものになってしまった。

 だからこそ八重樫が自らをミニマム級統一戦で破った男が対戦を
避けたローマン・ゴンサレスの挑戦を受ける事を表明した時にファ
ンは喝采を送ったのだ。

 それを考えれば八重樫-ロマゴン戦が日本ボクシング界の起爆
剤になる事を願って止まない。

コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ボクシングの生き字引のこーじさん、めっちゃ‘勉強’になります。解説されてみてはどうですか(^ー^)K田戦をTBSで! (なにわのヒバゴン)
2014-09-07 01:14:26
某一家を除いて日本のボクサーのスピリッツは同じですよ(だと信じます)。‘強い選手とやって勝ちたい’。八重樫の勇敢なファイトは久々に大和魂(古い表現)を感じさせる潔いものでしたね。彼等は十分承知なんです。勝てそうな相手に勝ったところで評価されるどころか総すかんを食らいかねないと。。。八重樫は日本のボクシングファンの代表として戦い期待(内容)に十分応えました。王座陥落は残念でしょうけど、このスピリッツが有る限り彼はさらに大きくなり再奪取を果たすのではないでしょうか?‘ロマゴンを今度は倒す!’野武士的な八重樫にはリベンジ、再挑戦、捲土重来といった文字が見事にフィットしますよね。なので八重樫に続いて欲しい!プロスポーツ(特にボクシング)は男のロマン。結果として吉と出なくともそこに至るまでのプロセスが尊いわけなのです。大ジョーブ!ボクシング人気復活も時間の問題でしょう。井上のしなやかな攻防と若さに似合わぬ技巧ぶりにも見入りました。英才教育で叩き込まれているサラブレッド。はや完成の域に達しているのではないでしょうか☆
 
 
 
赤坂TVボクサーを除いてですね (こーじ)
2014-09-07 23:39:44
>なにわのヒバゴン様
 赤坂TVのボクサーもおりますので忘れてはいけません。

 輪島功一は柳済斗からタイトルを奪還した直後に有終の美を飾るべく引退を勧める関係者を苦々しく思っていたようで‘王者ならどんな相手からの挑戦を受ける義務があり自分より強ければベルトを渡せばいいだけだし、
功績というのは多少の負けで揺るがないからこそ功績だ’と語っていました。

 考えてみれば辰吉はラバナレスやサラゴサにウィラポン相手の無残な負けをしたにも拘わらず、シリモンコンからタイトルを奪った試合は未だに語り継がれてますし
その試合を生中継で見れた事をファンとして誇りに思います。

 赤坂TVのボクサーや自称ボクサー兄弟にはそれが分からないのでしょうね。
 
 
 
リチャードソンを戦意喪失させた一戦は大橋初戴冠に並ぶ私の90年代ベストバウト(^ー^)ノ (なにわのヒバゴン)
2014-09-10 01:25:15
輪島は世界チャンプ・横綱ともに素顔はユニークですよね。横綱の大士はクイズの珍解答を連発。無類の天然ボケぶりに再三若き北の湖を強烈な左下手投げ(捻りの併せ技)で転がした彼と同一人物だとは思えませんでした。功一氏も関根父娘に物真似される憎めないキャラをお持ちですが勝負に於いては格闘家としてのスピリッツに溢れていたことにガッテン。何せ北海道の士別から上京し様々な職を転々。最後に人生を賭けて志したのがボクシングだったわけですからね。ガッツOK牧場氏の最後の試合はテレビで見た記憶がありますが輪島は。。。残念ながら思い出せません。ゆえに私の中でベールに包まれたままの伝説の男。‘カエル飛び’‘あっち向いてホイ!パンチ’等々笑わせてくれますね。VTRで見たくらいですが‘何てしても勝つ’‘何時でも誰とでも戦う’というボクサー本能に溢れた名チャンプだったと思います。強盗を働き掛けた若者に警察が‘輪島を見習い人生をやり直せ’と説得したエピソードにも時代を築いた彼の偉大さを感じますね。  辰吉はどうしてもガードが甘く感じるんですよね。若いうちはキレやスピードが突出していたため少々の粗さも問題なかったんでしょうけど、網膜剥離を発症して以降も顔面ガラ空き状態でしたから。。。改善がなければ自ずとパンチを貰うことになりますよ。彼も落合氏同様にオレ流を通し続けたプロらしいといえばそうですけどね。何度負けようが‘戦い続けることはボクサーとしての本能。やりたかったら納得するまでやったらええねん’と薬師寺に負けた頃に語ってましたっけ。名古屋ではアウェーのはずが辰吉人気が上回ってましたからやはり大した男です。甲子園決勝で三重が大阪桐蔭の応援を凌いでいたが如く。。。シリモンコン戦は私も見ましたが(ビデオに録画した記憶が)感動しました。逃げない、相手が強ければ強いほど向かっていく闘争本能、ファンの期待を汲んだスピリッツが常に全開だからこそボクシング人気を長く引っ張ってこられたのでしょう。辰吉と二郎、六車のスパーリングもあったのかな('_'?)新旧の世界チャンプが揃っている大阪帝拳も凄いジムだった(今も)んですね☆ 
 
 
 
辰吉のガードの低さは (こーじ)
2014-09-10 22:19:42
>なにわのヒバゴン様
 辰吉のガードの甘さは世界を取る前に理想としていた攻防一体型=打ちながらディフェンス&ディフェンスから攻撃というスタイルを確立するため目でパンチをよける必要があった事からのもの。

 基本的にボクシングのディフェンスは足で捌き、捌けないパンチをウィービングなどで外し、外せないパンチをガードするという段階がありますが日本人は上体が固いのでよけるディフェンスを無視して足で捌けなければガードというのがセオリーになってました。

 ところがこれでは守りから攻撃への切り替えがスムーズに行かない中で辰吉は優れた動体視力でコレをやっていたのですが、残念ながら網膜裂穴&網膜剥離でそれが
できなくなっていたものの練習生の頃からのスタイルが
体に沁み付いてあの戦い方になってしまったわけです。

 だから何とも眼疾が悔やまれますよね。
 
 
 
二郎氏も辰吉も岡山県生まれですね☆ (なにわのヒバゴン)
2014-09-11 18:43:50
‘具志堅はガードが固くて構えもいいですね’と戴冠試合で郡司氏が語っていたことからガードが低いとダメみたいに思ってしまうんですよ(笑)。野球でいえば岡島秀樹(巨人→ホークス他)のような個性派も一流投手として長く活躍しているわけですから以前の話ではないですが‘型’に嵌めることは絶対に良くないですね。なので辰吉のスタイル当初は斬新でした。目にも止まらぬ高速回転のラッシュ。オーソドックスなボクサーはどうも記憶に残りにくいですよね。何度も目を患いまだリングに未練があるのかないのか。。。関西では洲鎌の試合などを二郎&辰吉(六車?)ダブル解説していましたが意外と(^^)真面目な受け答えでしたよ☆
 
 
 
その具志堅のガードも (こーじ)
2014-09-11 23:03:01
>なにわのヒバゴン様
 実は具志堅も戴冠試合のグスマン戦では高いガードでしたが、V5ぐらいからガードは低くなってました。

 だから5度目の防衛戦でHリオスのボディを低いガードのまま攻めるのでダメージを蓄積させTKOに追い込んだのですが、その反面パンチを顔面にモロに貰い両まぶたが
腫れ上がり視界が0に近くなるような試合もありました。

 やはり攻撃に特化するとガードが疎かになりますし、
これは長谷川穂積にも言える話ですね。
 
 
 
偉大なる王者長谷川穂積。美しく潔くグローブを置いて欲しい。。。☆ (なにわのヒバゴン)
2014-09-13 07:52:54
確かにマルカーノとの再戦での具志堅は初期に比べるとガードが低いですね。もう無敵全盛期を迎えてましたから‘倒す’ことに重きを置いていたのかも知れませんね。そう意味ではカンムリワシも魅せるザ・プロフェッショナルのスピリッツ全開でした。ハイメ・リオスは割と前傾姿勢で打ち合うスタイルゆえに頭部が相手の顔面に接触。具志堅の瞼もパンチを食らっただけの腫れではなかった気がします。グスマン×リオス見たかった。軽量級にしては凄いカードですよね。具志堅はV3のマハチャイ戦の頃から肩幅、胸囲が一回り大きくなった感があるのですが、筋トレ?やプロテインなど意識的に取り入れたのでしょうか?防戦一方のマハチャイが随分貧相に見えましたね。あとこーじさん、輪島功一氏のスタイルにはどんな特徴がありましたか?気合いや根性、トリッキーさはよく伝わってくるのですが詳しい攻防がイマイチ理解できなくて(笑)宜しければご教授願います。日本の精気みなぎるプロボクサー達。チャレンジあるのみ!を満天下に知らしめた八重樫に続いて欲しいですね(^ー^)ノ
 
 
 
輪島功一は (こーじ)
2014-09-13 23:12:52
>なにわのヒバゴン様
 輪島功一はカエル跳びや、よそ見パンチが有名ですけど基本的に身長の低さやリーチの短さを工夫でカバーしていたので半身の構えからの左ジャブや左フックを巧みにヒットしていたのが印象的です。

 半身の構えになると肩幅の分だけリーチを補填できるわけで、正面からの打ち合いをしながら突然 半身になるので それまで届かなかったパンチが突然ヒットするという相手からすると意外な状況だったでしょうね。

 つまり相手の距離感を狂わせるのが上手かったわけです。

 リオス-グスマンはリオスが動いてグスマンの突進を捌くという展開で試合は進み、リオス陣営にすれば憤懣やるかたない判定負けだったようです。

 これは二郎氏がタイトルを奪取したペドロサがグスタボ・バラスからタイトルを奪った試合と似ているようですね。
 
 
 
具志堅が2度とも苦戦したリオスはフローレスより遥かに強かった☆(゜o(○=(゜ο゜)o (なにわのヒバゴン)
2014-09-14 14:26:50
そうですね。輪島は日本人としては重量級のJミドル級でしたから、海外の強豪に対して体格面の不利はあったかもしれませんね。カエル跳びも単なるパフォーマンスでなく身長やリーチの不利をカバーするためにやらざるを得なかった。あっち向いてホイも相手の心理を上手く読み取った研究の賜物だと言えるでしょう。阪急の福本が近鉄の鈴木、神部の両左腕がどうも天敵で牽制死に度々遭うなど克服に時間を要した‘セットポジションに入って下を向いたら牽制、目が合ったら投球’という投手心理にも近いのかも知れませんね。半身の体勢で接近戦といえば大相撲の舞の海が小錦や曙に対して懐に潜り込み手こずらせたシーンも懐かしく蘇ってきます。初回KO率が半端ないグスマンの全盛期見たかったですね。具志堅戦の3Rに強打の片鱗は窺わせましたが、倒し切れなかったあたりもうピークが過ぎ去っていたのかも。フォークとナイフどちらの手でも使える(笑っていたそうですが)彼は器用なハードパンチャーでもあったのでしょうね☆
 
 
 
グスマンの弱点として (こーじ)
2014-09-14 22:46:35
>なにわのヒバゴン様
 グスマンの弱点としてアゴの噛み合わせが悪く、それが原因で打たれモロさを持っていたようです。

 だから具志堅に敗れた後は再起戦で勝ったものの、何と6連敗して引退してますよ。

 それを考えると典型的な強打と打たれモロさを備えた
タイプだったようですし、それまで圧倒的なKOばかりで
弱点が見当たらなかったのではないでしょうか。

 
 
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