浅田真央の不振は残念ではあるが

真央、自己最悪12位…13年ぶり表彰台外 平昌五輪へ試練

 昨日まで行われていたフィギュアスケート全日本選手権は最終日
に女子シングルフリーが行なわれ、宮原知子が138,38の高得点を
叩き出しトータル214,87で2位の樋口新葉に15点差以上の大差を
付けて圧勝し3年連続優勝を飾った一方で浅田真央は12位に終わる
という惨敗を喫しエースの新旧交代を印象付けた。

 今大会の浅田真央は前日行なわれたSPでもトリプルアクセルが
1回転半になるなど8位と出遅れフリーで巻き返しを期したのだが、
いきなり回転不足で転倒したのを手始めにジャンプの回転不足が目
立つ内容で114,10に終わりシニア転向以来初めての世界選手権を
逃がす事になっただけでなく四大陸選手権や札幌で行なわれるアジア
大会の出場権すら逃す事になった。

 昨シーズンから左膝の不安を抱えていた浅田は調整遅れの今シー
ズン行なわれた3試合でトリプルアクセルを1度も使う事なく戦っ
ていたのだが、当然ながら結果を残せずに今回の全日本で初めてト
リプルアクセルに挑んだものの いずれも失敗。

 これで来シーズンのシード権もなくなり平昌五輪への道は厳しく
なったと言わざるを得ないが、個人的には十分予想できた事から驚
きはしない。

 フィギュアスケートの世界では五輪のメダルを手土産にショース
ケートであるプロに転向するというのが基本路線だから極端な話、
バンクーバーで銀メダルを獲得した後にプロに転向してもよかった
わけである。

 つまりバンクーバー以降の浅田のキャリアは余生的な形なので、
かつてのカタリーナ・ビットのように採点傾向などを気にする事
なく楽しんだ演技をして欲しいと思っていたし浅田だから許された
事だろう。

 ただし競技フィギュアの場合は特にジャンプになどは年齢を重ね
ると下半身に相当な負担をかける事になるわけで、当然ながらケガ
もしやすくなるため今シーズンのような結果も十分予想された。

 もっとも日本のフィギュアスケート界全体を俯瞰して見ると26歳
というベテランの浅田が全日本選手権などで優勝するのは他の若手が
育ってないという事で、むしろ憂うべき状態なのだから浅田が世界へ
の出場権を失うのは悪い事ではない。

 そういう事情を理解せずに浅田の世界大会出場権獲得失敗を残念
がるマスコミこそ、健全ではないと思うのだ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
真央ちゃんの不調のニュースに陰に隠れがちだけど・・・ (テコンドーを五輪から除外しろ!!)
2016-12-26 23:28:09
今だからこそメディアが取り上げるべきは宇野と宮原の2月の過密日程のことだと思うけどな。

通常の四大陸選手権はそれほど価値のある大会ではないが、今度の大会は平昌五輪の本番の会場で行われるのだからリンクや会場の雰囲気に慣れる為にも世界選手権代表組を出すことに大きな意義がある。

一方、今度の冬季アジア大会はいくら地元開催だとはいえ、ハッキリ言ってこの大会はどうでもよいローカル大会に過ぎない。
いくら四大陸選手権が隣国で行われるとはいえ、四大陸選手権とアジア大会の日程はあまりにも近接している。

男子は絶対王者の羽生がいるから、仮に日本の2番手の宇野が世界選手権に出られない事態になったとしても無良がいるので辛うじて何とかなるかもしれない。

だけど、女子の場合は宮原が日本のエースだけに、万が一彼女が過密日程の影響で不調に陥ったらシニアでの経験がまだ乏しい若手の樋口と三原に大きな負担が掛かるのだから、五輪の枠を賭けた来春の世界選手権で大苦戦を強いられるのは必至だ。
宮原に連戦を課すぐらいだったら、シニアの有資格者で最上位の村上を選ぶ方が遙かに賢明だね。

JOCの面子なのか、それとも集客対策なのか知らんけど、大会の価値や意義を無視して「大人の都合」で何でもかんでもベストメンバーを派遣させるのは選手の健康問題を害するのはもちろんのこと、強化の上でもかえって妨げになる。

スケ連の橋本聖子会長はJOCの常務理事も兼ねているが、この人は自身の口癖である「アスリートファースト」の言葉の意味を本当に理解しているのか甚だ疑問に思える。
というか、この人にはリスクマネージメントをもっと理解しろと強く言いたいね。
 
 
 
日本では (こーじ)
2016-12-27 21:56:44
>テコンドーを五輪から除外しろ!!様/plane_wel/}
 日本人は‘試合をするなら常に全力で’という思想が未だに幅を利かせており、これはロンドン五輪の女子サッカーあたりでも論議を呼びました。

 橋本聖子なども そういう面々の終わりがけの世代ですから、こういう事を平気でやるのでしょうね。

 ラグビーライターでも永田洋光のように日本代表は常にベストメンバーをと声高に主張する者もいるので、この問題は根深いものがあります。
 
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