智弁学園の優勝で幕を閉じた今年の選抜高校野球で話題になった
のが高松商の準優勝で、前年秋の明治神宮大会優勝に続きまさしく
古豪復活を印象付けた。
とはいえ高松商以外の21世紀枠の小豆島を含めた四国勢は全て
初戦敗退で、四国勢復活という雰囲気ではない事は確かだ。
その理由として初戦で大阪桐蔭に完敗した土佐の外野手が前半に
桐蔭の選手が放った外野への当たりを不自然な形で捕球をした事に
ついて‘高知ではこんな打球は見た事がない’と外野手が語った事。
つまり大阪桐蔭の打者が打つような打球を明徳義塾をはじめとし
た強豪校が打ててないという事を意味するわけだが、これなど最近
甲子園で勝ててない県ならではの例だろう。
11年夏以降甲子園で初戦敗退が続いている大分も13年に大分商・
笠谷俊介、14年にも大分・佐野皓大という好投手を擁しながら大分商
は修徳に2-8、大分も日本文理から2-5で共に2桁安打を打たれて
完敗しているのだ。
その時に佐野が‘県内のチームはバットを短く持ってミート中心で
来るのに対し、日本文理があんなにバットを長く持って振り回して来
たので威圧された'と語っていたのが印象的で大分の学校が‘速球投手
相手にはミート中心'というセオリーを明豊のような強豪校ですら遵守
し‘速球投手でもしっかりバットを振り抜く’という甲子園の常連校
のセオリーから遅れている事を意味している。
大分や高知など強豪県として名を馳せていたのに以前ほど勝てなく
なってきたのは、県内最強校が かつてのセオリーに拘泥するあまり
最近の野球のトレンドに付いて行けなくなっているという要素もある
のではないか。
やはり明徳義塾や明豊のような県内随一の強豪校は甲子園に出場
する事に汲々とするだけでなく、県内のレベルを上げるという使命が
ある事を忘れてはいけない。