今から40年前の今日74年2月5日に行われた世界Jミドル級タイトルマッチで
王者の輪島功一が前年1月に辛うじて引き分けた1位のミゲール・デ・オリベイ
ラに判定で完勝して当時の日本の連続防衛記録である6度目の防衛に成功した
日である。
前回の対戦で輪島は3連続KO防衛を狙ってか開始早々から仕掛けたものの
右フックのカウンターを食って限りなくダウンに近いスリップダウンを喫すると、
固い防御で攻撃をシャットアウトされてアッパーで起こされ右ストレートを浴びる
など大苦戦を強いられ終盤の攻勢で辛うじて引き分けに持ち込んだ形だった。
だから再戦しても厳しいのではないかという予想の中でのゴングだったが
輪島はオリベイラに対し目線を逸らして打ち込むパンチを多用してペースを握り、
オリベイラが出てくるところに絶妙のカウンターをヒットするなど前回の試合とは
全く違う展開で試合は進む。
時おりショートアッパーを食って上体を起こされるものの構わず前進し連打を
浴びせて相殺、最後までペースを渡さずに34勝中23KOと強打を誇るオリベ
イラを勝ちに徹したボクシングで攻略して快勝した。
後に2度王座から陥落しながら再戦で雪辱して返り咲く輪島の原型ともいえる
戦いで、対戦相手によって戦い方を柔軟に変更できる輪島の凄さを実感する
試合だった。
もっとも最強の敵だったオリベイラに完勝した事から輪島の天下は当分続くと
言われていたのだが、この試合が防衛に成功した最後の試合になるとは思わ
なかった。