昨年から今年にかけてウルトラセブン生誕50周年という事で久し
ぶりにセブンの全話レビューをやったのだが、こうして見ていると
他のウルトラシリーズとの違いが出まくっているのだから不思議だ。
巷ではウルトラQから始まりウルトラマンで作った流れを更に大
きく広げたというのがセブンの評価で、特にセブンのEPと同じよう
なテイストの物語が第2期ウルトラ以降にも使われているのを見る
とセブンの凄さがよく分かる一方で盗まれたウルトラアイや第四惑
星の悪夢のようにセブンでなければできなかったEPも多々ある。
そんな中で思っているのがセブンはウルトラ兄弟に相応しいか?
という事で、そもそもウルトラ兄弟という設定は帰ってきたウルト
ラマンの時に作られたものでセブンが作られた時にはウルトラ兄弟
の一員にするといったプロットはなかったと思うのだ。
セブンが他のウルトラ戦士と違うのはカラータイマーがなく時間
制限なしで戦える事や、等身大どころかミクロ化して戦ったのはセ
ブンだけと言っても過言ではない。
また先述したように盗まれたウルトラアイや第四惑星の悪夢だけ
でなくアンドロイド0指令、悪魔の住む花、侵略する死者たちなど
のEPは他のシリーズでは見る事ができない内容だからオリジナル
性が高い。
だからこそ94年にTBSではなく日本TV系でウルトラ兄弟ではない
セブンの後日譚ともいえる太陽エネルギー作戦や、地球星人の大地
などが作られた後に‘平成セブン’といわれるオリジナルビデオ作
品が02年まで3シリーズ作られたりパラレルワールド的なウルトラ
セブンXなども作られたりしている。
これなどセブンを孤高の存在として描いても十分鑑賞に耐えられ
ると思われるし、下手にウルトラ兄弟の一員として登場させると魅
力をスポイルしてしまう事も考えられるための作品で他のウルトラ
戦士にはないものだ。
一方で帰ってきたウルトラマンのベムスター編で苦戦するウルト
ラマンにウルトラブレスレットを届けたのを皮切りに、他のシリー
ズへの客演も他のウルトラ兄弟に比べ最も多いのが特徴だろう。
そしてウルトラマンレオではモロボシ・ダン隊長として再登場す
るとレオの師匠として鍛えまくるという展開で、これなどセブン=
モロボシ・ダンという設定だったからこそできる事だと思う。
つまりレオはセブンがいなければ成立しない物語であり、それだ
け他の作品に対して影響力が強いわけで代役が効かない存在だとい
うのが分かる。