野長瀬三摩地監督作品の魅力は

 ウルトラセブン23話・明日を捜せは宇宙人の破壊工作を予知した
占い師・ヤスイがシャドウ星人に付け狙われるわけだが、冒頭から
ダンプカーに轢き殺されんばかりに追い立てられるし夜道やガソリ
ンスタンドなどで遭遇した人間が悉く星人だったというシーンは怖
いものがある。

 このEPの監督は野長瀬三摩地で東宝から出向する形でウルトラ
Qのペギラ編から参加しているのだが、モスラなどの特撮映画で助
監督をしているだけに演出法は正統派でウルトラマンのスカイドン
編で実相寺昭雄監督が変身するのにハヤタにカレーライスのスプー
ンを持たせる演出などには批判的だったらしい。

 野長瀬監督はウルトラQで28話中7話、ウルトラマンは39話中
8話、セブンでも49話中7話を担当している。

 予算不足で対侵略宇宙人が多いセブンでもエレキングやギラドラ
スのような怪獣が登場するEPが目立つし、カプセル怪獣が敵の怪
獣と戦う3回のうちミクラス対エレキングやアギラ対リッガーの2
回は野長瀬作品である。

 そんな中で野長瀬監督の演出が冴えわたるのはホラー的な演出で
Qのラゴン編から始まり、ウルトラマンではダダの不気味さが印象
的だったし最も怖かったEPの代表格としてこの両作品は語られる
ケースが多い。

 セブンになると侵略宇宙人が相手だから星人の暗躍シーンは氏の
演出が見事に嵌るわけでワイアール星人の不気味な郵便配達員や、
バド星人編のミヤベ夫人の襲撃シーンにシャドウ星人がヤスイを追
い詰めて行くシーンなど不気味度が高くホラーテイスト満載だった。

 怪獣や宇宙人というのは怖さが重要なので視聴者を怖がらせる野
長瀬演出は、独特なテイスト満点の実相寺演出に負けない味がある
と実感するものである。

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