ゴジラは日本を代表する文化と思うのは

 昨日は文化の日と同時に今から61年前に最初のゴジラが公開され
た日でもあるわけだ。

 ゴジラ初公開の日が文化の日と偶然ながら重なっている事でゴジ
ラは単なる怪獣キャラクターではなく日本の文化を象徴するような
キャラになっており、だからこそ海外での評価が高いと思うし海外
版が いくら予算をかけても日本版を越えられないという事だろう。

 ご存知のようにゴジラは中生代の恐竜の生き残りがビキニ環礁の
核実験の放射能を浴びて怪獣化したというのが設定になっているの
だが、水爆に耐えたのだから当然ながら自衛隊の戦車砲やミサイル
などの通常兵器は通じないというのは当然だ。

 また破壊神の化身的な解釈もあるので円谷英二が拘った血を出さ
せないという演出でもおかしくなかったし、同時に人類がゴジラを
倒す事はできないというもの。

 このポイントこそ欧米人が受け入れられない要素で欧米ではゴジ
ラは放射能を浴びて巨大化したとはいえ、あくまで巨大生物だから
倒せないはずがないという考えで臨むため98GODZIRAのように
イグアナのバケモノで魚を常食し最後はミサイルで倒されるという
設定をよしと考えているようだ。

 つまりゴジラを単なる生物と解釈しゴジラの存在を人類が乗り越
えるべきハードルという考えが欧米製作側の心の奥底深くあるゆえ、
日本のファンが見たら憤慨する要素が山積するのではないか。

 一方71年のゴジラ対へドラ以前の作品はゴジラを通じて立派に
製作当時の社会の雰囲気を表しているのも特徴だ。

 54ゴジラが水爆など核兵器の脅威からスタートし62年のキング
コング対ゴジラでは自らの会社の宣伝のためには他の被害を省みな
い有島一郎演じる多胡部長が登場すると同時に、視聴率のためには
何でもやろうとするTV局の姿勢を批判している。

 更にモスラ対ゴジラでは悪徳興行師や、それを陰で操る代議士が
登場し彼らはゴジラの襲撃で命を落すという結果になっている。

 そしてゴジラ対ヘドラでは当時社会問題だったスモッグやヘドロ
などの公害を養分にして巨大化し凶悪化するヘドラという公害怪獣
までが登場するようになったのだ。

 平成に入ってもvsビオランテで遺伝子工学、vsキングギドラでは
バブル経済の真っ只中、vsモスラでは環境破壊への警鐘が含まれる
など隠しテーマが存在する。

 そしてゴジラの存在が人類が積み上げてきたものを あっさりと破壊
してしまうわけで、これなど正しく破壊神そのものではないか。

 61年前に製作された時はゲテモノ扱いされていたし今でも嫌がる
層もいるのだがゴジラというキャラはウルトラマンや仮面ライダー
同様、国内で存在を知らない人間はいないし欧米にまで知名度がある
というのは凄い事で日本を代表する文化といっても過言ではないだ
ろう。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
またまた遅コメ失礼 (柴田真紀)
2015-11-06 00:29:25
個人的にバタバタして、拙ブログでは今年『ゴジラの日』ネタを書けませんでした。
広辞苑に載っている唯一の怪獣だそうです。
また、NHK「今日はなんの日」で、毎年必ず取り上げています。
 
 
 
なるほど (こーじ)
2015-11-06 22:16:35
>柴田真紀様
 NHKが毎年取り上げるとは本当に日本の文化と認められているのでしょうね。

 ただ毎年ゴジラネタを11月3日に上げるというのも大変ですね。
 
 
 
昭和から平成への転換期 (A-chan)
2019-11-03 10:39:45
おはようございます。
シリーズの一番最初の「ゴジラ(1954)」の完成度・内容の深さ・メッセージ性などについては既に多くの方々が語っておられますので私も深く申し上げる事は無いと思いまして、昭和最後のゴジラ映画「ゴジラ(1984)」とひっくるめて話題に入らせて頂く事に致しました。

「ゴジラ(1984)」は昭和シリーズの続きでは無く、後の平成VSシリーズの序章になるのですよね。と言うか、本来ならゴジラはあのまま三原山で永遠の眠りにつくはずのところが、ファンの熱意によって平成に入ってからは火山内でも生存可能な神がかりな怪獣に生まれ変わってしまいました(汗)。
昭和の時代の怪獣達(ゴジラも含めて)なら火山に入ろうものなら、こんがり丸焼きになってしまうでしょうが、VSシリーズのゴジラは口からだけで無く体から放射熱線を発する事ができるようになっています。VSゴジラが生身でありながら火山内で活動可能なのは、これを応用したバリア能力のお陰と思っております。
平成時代に入ってからのゴジラは昭和の時よりも体が大きくなり、能力もパワーアップしてますが、特筆すべき事は核爆発に耐えるというか吸収してしまう事ですね。昭和のゴジラはここまで不死身ではありませんでした。

「ゴジラ(1954)」で山根博士はゴジラが水爆の洗礼を受けながら生きていると言われてますが、セリフをよく聞いていると博士の言う水爆の洗礼というのは「核爆発」では無く「放射能」の事のようです。昭和のゴジラは巨大な体と分厚い皮膚が通常兵器を受け付けないというだけで、作戦で動きを止めて喉元を集中攻撃すれば倒せる相手だと思います。ただ、放射熱線という飛び道具がそれを阻止してしまいますけど。
ですから、もしオキシジェンデストロイヤーが無ければゴジラ殲滅の為に核兵器の使用が考えられたかもしれません。
(現に「三大怪獣」の時にはゴジラ&ラドン対策に核兵器の話が出てますし、「南海の大決闘」の時には核爆弾を察知したゴジラが大慌てで退避しています)

地球上最強の生き物とはいえ、昭和の頃のゴジラには生身の生き物としての温かみを感じてますが、VSシリーズ以降の生物としては飛躍し過ぎてしまった平成時代のゴジラは、もはや神レベル・・・・・・(汗)。
私としては「ゴジラ(1984)」のゴジラがあのまま生身の生き物として三原山で永遠の眠りについて欲しかったですが、平成という新時代がそれを許さずゴジラを神にしてしまったようですね・・・・・・(しんみり)。
 
 
 
あれには驚きました (こーじ)
2019-11-03 23:36:16
>A-chan様
 そうなのです、ゴジラvsモスラでゴジラが海底火山から富士山まで溶岩流を泳いで出現した時には驚きましたよ。

 怪獣を人類の手で始末するのはラドンやサンダ&ガイラのように火山の噴火に巻き込ませるというのが定番でしたので、あっさり平成で凌駕したので‘どうやって封じ込めるのか’と思いましたよ。

 平成ゴジラならゴジラの逆襲のラストで雪崩に巻き込ませて氷山に封印するという手も使えませんよね。
 
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