川内優輝ボストン制覇

川内がボストン・マラソン優勝=瀬古以来、31年ぶり

 日本時間の4月16日深夜に行われた伝統のボストンマラソンで
日本の川内優輝が前回優勝のジェフリー・キルイを終盤逆転し、
2:15:58のタイムで初優勝を飾ると共に87年の瀬古利彦以来の
ボストン制覇となった。

 当日は寒さに加え大雨に強風の悪コンディションとなったが、
暑さに弱いものの悪コンディションを得意とする川内はスローな
ペースで始まった中で飛び出し一旦はキルイに逆転されたものの
40㌔過ぎには再逆転し最終的には2分25秒差を付けての優勝だか
ら凄い。

 もっともタイム的には2時間15分台と低調ではあるが氷点下と
いう異常寒波の中で激しい風雨に見舞われたコンディションでは
仕方ないし、得意の粘りのレース運びで逆転勝ちした事に価値が
ある。

 ボストンといえば昨年は日本の大迫傑が3位に入り久しぶりの
日本勢の活躍を見せたのだが、今年は悪コンディションの中での
優勝と男子マラソンが一時の低迷から抜け出せそうな気配がある。

 今回の川内の勝因は他の選手には厳しいコンディションが川内
にとってはありがたいコンディションになったという天の利に恵
まれた事は大きいものの、長年多くのレースに出場して培ってき
た経験や駆け引きがモノを言ったと思うのだ。

 川内は公務員のため高地トレーニングなどの走り込みを含めた
合宿などができない代わりに多くのレースに出場し、世界のトッ
プランナーと走る事によって駆け引きを覚え戦い方の引き出しを
多く持っているという強みがあるのでトラックでのスピードがな
いのは厳しいが今回のような悪コンディションでは十分勝負にな
るわけだ。

 つまり実業団がトラックでのスピード強化よりも駅伝に特化し
た選手ばかり養成し‘駅伝で結果を残していけばいい’的な強化
をしていたのが日本のマラソン界の体力を落としていた形だし、
大迫のようにトラックでのスピード強化をするというのが最適で
はあるものの川内のように多くのレースに出場して駆け引きを学
ぶというやり方もある。

 今年は平昌五輪の女子スピードスケートが団体パシュートや
マススタートで長距離王国のオランダに勝ったわけだが、スピ
ードスケートにおけるオランダ勢がマラソンにおけるアフリカ勢
という立ち位置だろう。

 女子のスピードスケートがオランダの壁を破ったように、やり
方さえ工夫すればアフリカ勢と互角に戦えるのではないかと思う
のだ。

 


 

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