広島商の復活に必要なのは

崇徳、広島商に延長サヨナラ○/広島大会(日刊スポーツ) - goo ニュース

 今年の夏の甲子園の予選が各地で始まり12日に開幕した広島大会は開幕戦で
何と崇徳-広島商という甲子園優勝経験校同士の対戦となり延長13回の末に
崇徳が4-3でサヨナラ勝ちして初戦を突破した。

 ここで気になるのが夏の甲子園の優勝回数が中京大中京に次いで2位の広島
商が今年も夏の出場が適わず、昭和最後の大会だった88年に優勝して以来
平成に入ってからは04年に唯一出場しているものの初戦で敗れているので
四半世紀にわたって夏の甲子園の勝利がないという事になる。

 平成に入ってから夏の広島県代表はライバルの広陵が5回、73年の優勝監督で
75年まで広島商の監督を務めた迫田監督率いる如水館も7回出場しているのを
考えると低迷ぶりが嫌でも目に付く。

  確かに最近の高校野球は私立の強豪校が全盛で、公立の広島商が人材獲得に
不利なのは理解できる。

 ただし広島商のような伝統校は地元での人気はあるはずだが、ここまでの低迷は
伝統の広商野球が才能ある者達に不評なのではないかと思ってしまう。

 広島商の野球は鉄壁の守りで最小失点に抑え込み小技を駆使して少ないチャンス
で確実に得点し守りきって勝つという1-0野球が看板になっているのだが、残念
ながら最近の高校野球では勝てないという事をいみじくも平成に入っての広島商
自身が証明してしまっている。

 如水館など広商OBの迫田監督が率いているので1-0テイストは根っこにある
ものの点を取って勝つという近代野球の要素も しっかり受け入れているので、
甲子園の勝利数こそ広陵に譲っても出場回数は多いという結果を残せている。

 恐らく広島商OBの中にもパワー野球の要素を取り入れようと考えている心ある
者はいるのだろうが、頑なに伝統の1-0スタイルに拘る面々の抵抗が強く改革が
進まないのではないかと推測する。

 面白い現象として昭和の時代に広島商OBでプロで活躍したのは達川光男以降
見かけなかったのだが、最近では柳田悠岐や岩本貴裕のようにプロでも頭角を
現す選手は出てきているのを見れば決して私立に才能のある選手が流れてしまう
ので人材難という低迷理由は疑うべきだろう。

 大学ラグビーのルーツ校である慶応義塾は人材的に恵まれないながら魂を
鍛える猛練習で強豪校の地位を維持していたのだが85年度の日本一を最後に
低迷していたのを上田昭夫監督が復帰して厳しいだけの練習を廃止し合理的な
練習法に切り替え人材を しっかり獲得したおかげで復活した事があった。

  共に精神ラグビーや精神野球をチームの伝統と位置付けている伝統校という
共通項があるので慶應にできて広島商にできない事はないだろう。

  時代に合わない伝統を遵守し過ぎても甲子園には届かないし、大事なのは
頑なに伝統を守ることではなく甲子園に行く事ではないだろうか。

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