一昨日の5日にNHKがスター・ウォーズの制作現場をOAしていた。
その中で製作スタッフがCGに頼らずミニチュアでの映像に拘り
始めたという話が語られており、実際にミレニアムファルコンの
実物大のセットが作られていたのには驚いた。
たしかに80年代までに作られたEP4から6ではCG技術が発達して
おらず97年にはCGによる映像が追加された再編集版が制作され、
99年以降に製作されたEP1から3まではCGがガンガン使用されて
いたのが印象的だった。
ところが番組中でも語られていたようにCGを多用し過ぎると
かえって作り物感が強くなり過ぎて、リアルさを失うという逆
効果になるわけだ。
実は9月にBSプレミアムでOAされた日本特撮ルネッサンスの中
でも最近の日本の特撮がCGに頼るのではなく、あえてアナログで
あるミニチュアを使った映像に拘っているという事が語られて
いたので特撮の映像がCG頼みからの脱却を目指し始めているの
かと思う。
以前ある番組で本郷猛を演じた藤岡弘が‘アクションの打ち
合わせをしていたら「いざとなったらCGで何とかしますから」
と言われてガッカリした’と言っていたが、確かにCGがない
時代は俳優達が体を張っている感じだったがCGが使われ始め
ると そういった面が希薄になっていた。
やはり日本だけではなく海外の特撮スタッフもCGのみに頼る
撮影法には限界を感じているのかもしれないし、S.W製作スタッ
フの中に細かい作業が得意な日本人スタッフがいるのは嬉しい
事だし番組の中で僅か数秒のシーンを何度も作り直す場面は
ウルトラマンの第1話を円谷一監督が金城哲夫に何度も書き直
させた話を思い出したのだ。
こうしてみると日本の伝統工芸ともいえるミニチュア特撮は
捨てたものではなく、むしろCGとの共存によって更に進化する
というのが証明されたわけで今年の夏に公開されるシン・ゴジ
ラも大いに楽しみになってきた。