格上の相手とばかり対戦する事の問題点

 昨年日本のスポーツ界を最も盛り上げたのがラグビーW杯だった
のは疑いのないところだし、特に日本代表がアイルランドやスコッ
トランドらを相手に予選プールAを全勝でクリアする健闘に大いに
沸いたのだ。

 一方で意外に元気がなかったのは南アフリカやイングランドなど
8カ国に次ぐ位置付けにあったアルゼンチンとイタリアでアルゼン
チンはフランス相手に21-23と大接戦を演じて敗れイングランド
には完敗し、イタリアもカナダやナミビアには勝っているが南アフ
リカには7-66でコチラも完敗するなど思ったよりもあっさりとし
た敗退だった。

 実はイタリアは6ネーションズの1つとして常に戦っているし、
アルゼンチンもジャガーズと名前を変えてスーパーラグビーで代表
チーム単位で多くの試合をこなしている。

 ところが残念ながら両国とも成績は捗々しくなく特にイタリアは
6ネーションズで実に21連敗中という形で連敗が続いているし、
ジャガーズもレベルの高いスーパーラグビーの中では苦戦している
のが実情だ。

 日本でも‘負けて覚える相撲かな’という言葉があるように敗戦
から学ぶものは大きいし例え負けても常に高いレベルで戦い続ける
事がレベルアップになるというのだが、あまり負け過ぎると負けグ
セがついてしまうというリスクがあるわけで現在のイタリアやアル
ゼンチンが そういった状態になっているのではないか。

 特にラグビーという競技は激しいフィジカルコンタクトの中で行
われるのでケガ人も出やすいし、その影響からチーム力が落ちると
いう事が十分考えられる。

 それを考えると常に格上の相手とばかり戦い続けるというのは決
してメリットばかりではなく、日本も昭和の時代にイングランドや
ウエールズにアイルランドなどティア1の対戦を多く組んでいたの
だが当然ながら勝った事は1度もなく本当の強化につながったか怪
しいものだった。

 それを考えるとイングランド大会からの4年間のテストマッチで
ジョージアやロシアといった勝てる相手との対戦があった時に‘格下
相手と組んでも強化になるのか’という意見もあったのだが、これも
必要だったと思うのだ。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
« 小林陵侑、ジ... 上原正三氏、... »
 
コメント
 
 
 
今年もよろしくお願いします (Bill McCreary)
2020-01-11 13:58:18
遅ればせながらあけましておめでとうございます。

囲碁将棋なんかでも、負け癖がつく、勝ったほうが強くなるというので、練習会を嫌がる棋士も昔はたくさんいましたね。昨今は、練習会の強みが認められているのでそうでもなくなったようですが、ただ3戦して1勝2敗くらいの実力差ならそれでいいですが、イタリアのように21連敗ですと6ネイションズでは「手合い違い」ですね。強化という意味では、もっと実力差の接近しているチームと戦う方がいい。

日本のサッカーも80年代までは韓国、北朝鮮のほうが実力が上でしたから、その2国より強くなる、同等に戦えるというのは現実的な目標だったし、やはりそれは強化に効果があったと思います。イタリアもそうでしょうが、日本も、最近はそうでもないですが、テストマッチで本気でぶつかってくる国に不足していたのは、やはり国際舞台での成績が芳しくなった大きな理由だったと思います。
 
 
 
訂正します。 (Bill McCreary)
2020-01-11 22:26:34
すみません、言うまでもない話ですが、上の

>やはり国際舞台での成績が芳しくなった大きな理由だったと思います。

は、

「やはり国際舞台での成績が芳しくなかった大きな理由だったと思います。」

の誤りです。訂正します。


 
 
 
今年もよろしくお願いします。 (こーじ)
2020-01-11 22:50:26
>Bill McCreary

 コチラこそ今年もよろしくお願いします。

 確かに1勝2敗ぐらいなら対戦しても‘もしや’がありますけど、全く勝てないようでは意味がなくなりますからね。

 やる方も気が滅入ってきますし。

 そういう意味ではラグビーの日本代表もパンパシフィック選手権のようなイベントが、かつてはありがたいものでしたよね。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。