負けた姿もスター選手の重要な要素

 早いもので八重樫東とローマン・ゴンサレスが激闘を繰り広げて
から1週間が経つ。

 年間最高試合という声が出るほど素晴らしい試合を見せてくれた
両者に感謝の言葉も無いし、特に敗れたとはいえ最強の男の挑戦を
受けた八重樫の勇気には賞賛の声が絶えない。

 一方でロマゴンの挑戦を金を払って回避したといわれる元2階級
制覇王者の評価は、先日日本のリングから追放された自称ボクサー
達と変わらないぐらい一気に下落している。

 ここまで評価に差が出るのはスポーツにおける‘より強い者と戦
う’という洋の東西を問わない絶対的な価値観があるからだろう。

 かつて名ライターといわれた佐瀬稔氏の名文に‘どんなボクサーも
最後は負けという支払いをするし、それを拒否できない’というのが
あったが、無敵を誇った具志堅用高をはじめとした名ボクサー達も最
後は負けてタイトルを失い引退している。

 そしてスター選手ほど敗れた時の姿はファンの心を打つものが
あるわけで、スター選手は負け方が大事なのだ。

 これはボクシングだけでなく野球などでも長嶋茂雄が常々口に
していたのは‘凡打でもファンの心を打つ事’で、打者の場合は
10打数3安打で一流だから7割の確率でアウトになるので その
時にファンの心を打つアウトならファンは納得してくれるという
もの。

 実際に長嶋の現役時代に印象的なのは天覧試合のサヨナラHRなど
快打を放ったシーンだけでなく、金田正一からデビュー戦で4打席
連続三振や現役最後の打席で併殺打を打ったシーンなどが挙げられ
るのがいい例だろう。

 また主にトーナメントで行なわれるアマチュアと違いプロでは
負けが許されるわけだから、余計に強敵と戦うという事に意義を
見出せるのだ。

 にも拘らず‘全勝’や‘無敗’に拘って自分が負けそうな相手
から逃げ回るという者には容赦の無いブーイングが飛ぶわけで、
それは自業自得というものだし特に格闘技系競技にでは最も恥ず
べき事になる。
  

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コメント
 
 
 
闘わずして逃げる選手は格闘家と名乗るな(^ー^)ノ (なにわのヒバゴン)
2014-09-13 07:22:07
4団体かつ階級も増えている現在のボクシング界ですからね。4人もチャンピオ(ナンバー1)ンは要りませんよ。各階級最強を毎年1回トーナメントででも決めて欲しいです。強い選手と戦ってこそ(仮に負けたとしても)アスリートとしての価値や箔が付くわけですからね。二郎氏が昔WBC王者との統一戦を行った試合など大阪人としても誇らしかった。なのに逃犬らの情けなさと言ったら。。。もう無視してますけどね(^^)  長嶋茂雄(携帯一発変換できる未だに凄い方)氏は魅せることに拘ったからこそミスタープロ野球(単なるミスターの敬称は彼を意味する!)の称号が不滅なんですよね。私はリアルタイムでプレーを目にできなかったとはいえ、彼が数字や記録を抜きにした国民的スターなのは火を見るより明らかです。仰る現役最終日に左腕佐藤?から444号フィーバー惜別ホームラン&永遠に心に刻まれるカッコいい(猫背気味に走る)併殺打。相模の原辰徳が小山戦の最終打者になったシーンもスターならではの哀愁味が漂ってましたが。。。具志堅が精も魂も尽き果てたかの如くダウンした姿や千代の富士が貴乃花に敗れた体力の限界~!笑みを浮かべながら‘まだ若いのに年寄(親方)だよ’と周囲を和ませた記者会見。杉内の打って下さいとばかりに投げ込まれたストレートに空振り三振を喫しバットを置いた清原。腰痛を抱えながら5年ぶりリーグ優勝、日本シリーズで東尾から技ありの一発を放ったミスター赤ヘル山本浩二‘自分でもよくやったと思います’のセレモニーに実感がこもってました。何せ彼の通算本塁打の約7割は30才以降に記録したものでしたから決して順風満帆なプロ野球人生ではなかったわけです。北の湖も最晩年は休場が相次ぎ最後は柿落としとなった両国国技館にての85年初場所。あれほど憎たらしい大横綱が勝利を挙げると同情からの拍手も沸き起こっていましたよね。やはり燃え尽きるまで、後継者(彼の場合は千代の富士)にバトンタッチを済ませて。。。それがトップアスリートとしての使命であり最も美しいクロージングであると私も強く願っています。輪島功一氏も王座再々々奪取ならず‘もう燃え尽きたよ’の言葉を残し引退。だからこそ伝説は不朽不滅なんですよね☆
 
 
 
訂正です\(__) (なにわのヒバゴン)
2014-09-13 08:40:01
山本浩二氏が引退した86年の広島は5年ぶりではなく2年ぶりリーグ優勝。次が最後となる5年ぶりVですね。浩二氏の翌年には同じくボロボロに燃え尽きた鉄人衣笠氏も引退。彼等が如何に赤ヘルの時代を作り上げたか再確認する思いです。ノムケンや前田智徳、阪神でユニフォームを脱いだ金本らの‘余力を残さず燃え尽きるまで’の伝統はきっとKK(浩二・衣笠)コンビが根付かせたのだと。。。そんな気がします☆
 
 
 
跡継ぎが出るまで (こーじ)
2014-09-13 23:02:30
>なにわのヒバゴン様
 スポーツ選手の引退は跡継ぎができるのを見届けてというのが多いですね。

 ウィンタースポーツでは荻原健司は高橋大斗、清水宏保は加藤条治という跡継ぎの誕生を見届けての引退でしたね。

 ちなみに北の湖は‘がんばれ’と声援されてから引退がチラついたという話ですね。

 89年に東京ドームで行われたWAVE2000というイベントで長嶋が3塁守備に付いて打球をキャッチし送球した姿を見て‘現役時代と変わらないな’と感心していたら一緒に行っていた70年生まれの友人も長嶋の現役時代を知らないにも拘わらず‘凄い’と驚嘆してましたよ。
 
 
 
ミスターの全盛期ならメジャーもいけましたよね(^ー^)ノ (なにわのヒバゴン)
2014-09-14 18:12:03
それは凄いですね。同時期くらいに長嶋氏背広時代に本場アメリカ(カールルイス取材か何かで)にてフットボールに興じ華麗なランとステップを披露。リップサービスもあったでしょうがそのチームのコーチは‘勘が素晴らしくとても50代だとは思えない。さすがはニッポンのベースボールスターだ’と驚嘆されてました。ホークスの秋山監督なんかも未だに一軍選手以上('_'?)の遠投や打撃飛距離らしいですし、村田兆治も数年前まで140キロの投球を見せてましたからね。昔取った杵柄は色褪せないものかも知れません。北の湖はある意味立派ですよ。負けが込み休場続きならプライドもズタズタになり土俵に上がりたいなどとは思わないはず。それを一切捨てて燃え尽きるまで、声援を送り続けてもらった相撲ファンに最後の勇姿をetc第一人者としての責任感からくる使命をしっかり受け取めていたからでしょうね。簡単に土俵を割ったり転がされる彼の姿は信じられない現実でしたが、逆に見る目が変わったのも確かです。ホンマは好青年だったんやなと。。。☆
 
 
 
北の湖は (こーじ)
2014-09-14 22:51:35
>なにわのヒバゴン様
 北の湖は自ら悪役を買っていたようですね。

 というのも当時は輪島や貴ノ花に若三杉など善玉が全盛でしたから、あえて自分が悪役をやる事で他の力士が引き立つと考えてやっていたようです。

 つまり憎たらしいくらいに強いというのは、横綱にとっては褒め言葉ですからね。

 悪役は強いだけでいいけど、善玉は何らかの弱みを抱えているので無敵の定義はむしろ悪役の方がシックリ来るわけですね。
 
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