ハリルJ、力負け 前半で3失点 後半に槙野ヘッドで1点返すも及ばず
日本時間の昨夜フランスのリールで行われたサッカー日本代表と
ブラジルの国際親善試合はブラジルが3-1で快勝した。
試合は開始10分に吉田麻也がPエリア内で相手を倒したのが
VARの映像確認でファウルと認定されPKを決められると、17分
にもPKを川島永嗣がクリアしながら直後のCKからの攻撃でミド
ルシュートで2点目を許し36分にはカウンターから失点するなど
前半で0-3と勝敗の行方はほぼ見えた。
後半に入り反撃に転じた日本は63分にCKから槙野智章がヘッ
ドで決めて1点を返し、87分にもFKから杉本健勇がヘッドで決
めたかに思われたがオフサイド判定でスコアは1-3で終了。
シュート数は日本が4に対してブラジルは10本で両者の実力の
差があった形だが、日本にとって惜しまれるのはVARによる吉田
のPK認定で10分で先制された事だろう。
今回の親善試合はFIFAランク1桁台のチーム相手にどこまで
戦えるかというのが目的でハリルのスタイルは強豪相手にこそ有効
だと思われていたから、それだけに0-0の時間を少しでも長く保
てるかが重要だったのだが最初は流された吉田のファウルがVAR
によってPKに覆るという事態が余計にダメージを与える事になる。
しかもその悪い流れを引きずった形でPKを防いで盛り上がらな
ければいけないのに直後のCKからの攻撃を井手口のクリアミスに
付け込まれて2点目を失うと、更に得点するため焦って前がかりに
なったところにカウンターから3点目といいようにやられてしまっ
たわけで両チームの力の差をハッキリと見せ付けられた。
後半ブラジルが‘流し’モードに入った事もあって日本にも度々
チャンスが生まれ1点取る事はできたので、とりあえずザッケロー
ニ時代に1点も取れなかった事を考えると多少の進化はあったのか
もしれない。
ただボールを奪って一気にカウンターの形にするシーンをブラジ
ルと比べるとブラジルは自陣からでも一気に日本のゴール前まで迫
れるのに対し、日本は敵陣でボールを奪っても連動性がないからか
遅攻になってしまう傾向が強いわけで脱ポゼッションを強豪相手に
行なうのは まだまだ難しいという事か。
とりあえずブラジルが日本戦を次のイングランド戦に向けた調整
試合という趣に位置付けたように、日本にとって今回のヨーロッパ
遠征はFIFAランキング1桁国との力の差を認識する試合になるの
で対アジアモードからW杯モードに切り替わる入り口としては下手
に勝ったり善戦する方が来年のためにならないとは思う。
今回の結果を次のベルギー戦にどう生かすのかは大いなる課題と
同時に楽しみでもあるのだ。