ソフトB日本一の瞬間“1万分の1の奇跡”起きていた!
先週G6で終了した今年のプロ野球・日本シリーズは川島慶三の
ライト前ヒットで強引にホームに突っ込んだ2塁ランナー・中村晃
を刺そうと送球したライト・梶谷隆幸の送球が、ホームベース手前
のアンツーカーの切れ目で大きく跳ねてサヨナラという形での決着
だった。
この場面を振り返るとバッターの川島は長打を打つタイプではな
いのと一打サヨナラの場面なので外野は全身守備を敷いていたため、
本来ならワンヒットで2塁ランナーのホームインは厳しいところで
敢えて3塁コーチャーの村松有人は中村を突入させたわけだがこの
シーンを見て7年前の日本シリーズG7の4回裏を思い出した。
このシリーズは落合博満率いるドラゴンズとの対戦で共にロード
ゲームを3連勝して迎えたG7は2回にホークスがノーアウト満塁
から川崎宗則の押し出し四球で先制したものの後続が抑えられ1点
止まりで迎えた4回裏、先頭の松中信彦が四球で出塁し松田宣浩の
バントなどで2アウト2塁から8番の長谷川勇也が歩かされて1・2
塁の場面で9番の山崎勝己を迎える。
山崎は決して打てるタイプではないし2塁ランナーの松中はシン
グルでは還れない状況で、当然ながら強肩のライト・藤井淳志は前
に来ていた。
そこへ山崎の打球がライト前に飛んだのだから当然ながら2塁ラ
ンナーの松中は3塁ストップと思いきや強引にホームに突入すると、
藤井からの送球が3塁方向に逸れて松中がホームインしたのだった。
ドラゴンズは投手を含めた守備が固くロースコアゲームに持ち込
むのが必勝パターンで、いかに2点目を取るかがテーマだったし実
際に3回にはノーアウト満塁から押し出しで先制したものの1点で
止まっていたので松中がホームでアウトになるとドラゴンズペース
になる可能性が高かったので この2点目で勝敗の行方は決した。
面白いのが打者に長打力がなく2塁ランナーが鈍足で強肩揃いの
外野手は全身守備を敷けば基本的に2塁ランナーはホームに突入し
ないのがセオリーだが、逆に言えばホームに突入されれば外野手は
‘まさか’という思いからホームへの送球に焦りが出て手元が狂って
送球が逸れたという形で仮に2塁ランナーが川崎で打者が内川聖一
なら案外起こりえなかったプレーだろう。
今回の2塁ランナー中村は足はあるもののG5同様に前進守備を
敷かれればシングルではホーム突入は無理だとベイスターズ外野陣
は考えただろうし、先述したように川島は長打を打てるタイプでは
ないので梶谷にしてみれば自分のところに飛んできてもホームへの
突入はないと思っていたのではないか。
ただし日本シリーズのような短期決戦では無謀とも思えるギャン
ブルプレーが流れを左右するケースが多いので、それに対する心の
準備が必要なのだから今回敗れたベイスターズの選手達もそういう
所は経験不足だったのかもしれない。