‘スリラー・イン・マニラ’アリーフレイジャー第3戦から40年

 今から40年前の今日75年10月1日にフィリピンのマニラで
行なわれたのがモハメド・アリ-ジョー・フレイジャーの第3戦
である。

‘スリラー・イン・マニラ’の謳い文句が付いた世界ヘビー級タイ
トルマッチは両者が過去1勝1敗の決着戦という形で行われ大いに
盛り上がったし、実際14R終了で挑戦者のフレイジャー陣営がギブ
アップという形で決着が付いたものの勝者のアリも終了後 力尽きた
ようにキャンバスに倒れる文字通りの死闘だった。

‘蝶のように舞い、蜂のように刺す’と言われフットワークを駆使
して距離を取りカウンターを決めるスタイルのアリに対して‘蒸気
機関車’の異名通りに突進し手数で圧倒するタフなフレイジャーと
いう対照的な構図は71年3月の第1戦は最終ラウンドにフレイジャー
が左フックでアリからダウンを奪って勝ち、74年1月の第2戦は
アリが何とか逃げ切る形で判定勝ちで迎えた3戦目だけに試合前
から大いに盛り上がっていた。

 試合は過去2試合同様フレイジャーが左フックを振るいながら
突進してアリが迎え撃つ形で試合は進み序盤はアリがペースを
握るものの中盤からフレイジャーの反撃で俄然盛り上がり終盤
に入ると両者がフラフラになっての攻防で、12Rにフレイジャー
のマウスピースを吹き飛ばしたアリの右ストレートが勝負を決めた
形だった。

 14Rが終了しダメージを被ってコーナーに戻ったフレイジャーに
エディ・ファッチトレーナーが諭すように棄権を薦めてカルロス・
パティーリャレフェリーに棄権を申し出たのだが、実はアリの方は
‘これ以上は戦えない’と棄権の意思をアンジェロ・ダンディトレ
ーナーに訴えていたというのを聞くと勝負のアヤは紙一重だった事
が分かる。

 こういう死力を尽くした死闘というのが最近のボクシング界から
消えて久しいし、クリチコやメイウェザーらの試合で望むべくも
ないのが実情だ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (ギャビラン)
2015-10-21 20:26:56
初めまして
やはりフレージャーはアリが相手じゃないと燃えるものがないのでしょうかね。
アリを破って以降モチベーションがなくなりフォアマンに壊されてしまったので当時もうフレージャーではとても無理だと思っていたのですが…。人間はモチベーションというものが如何に大事かということを教えられた一戦でした。
フレージャーがもう一人執念を燃やした試合はバスター・マシスでしたね。勝利した後の喜び方がこの2戦(アリとの第一戦とマシス戦)だけは違って見えました。

PS;関係ありませんが、フォアマンとホームズって年はほとんど一緒なのですが見事にすれ違っちゃいましたね。
この一戦だけは観たかった。出来れば'76~'77くらいでしょうか?
 
 
 
いらっしゃいませ (こーじ)
2015-10-21 22:53:27
>ギャビラン様
 いらっしゃいませ、初めまして。
 ミックスアップという言葉がありまして、戦う事で互いにレベルアップしていくという形ですがフレージャーにとってアリとの戦いはまさしくそれだったのでしょう。

 アリも他の3人を比べたらフレージャー戦が一番凄い内容の試合をしてますからね。

 この3人以外との試合はダルな試合が多かっただけに、
よけいにフレージャー戦が目立つと思います。

 たしかにフォアマンとホームズ見てみたかったですね。

 ちょうどフォアマンがブランクを作り始めた頃にトップに上がってきたわけですね。
 
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