2016夏の甲子園 第10日

【高校野球】常総学院が緻密野球、6犠打でV候補の履正社破り8強 左腕・寺島は姿消す

 大会10日目の注目カードは第4試合の常総学院-履正社戦。

 2日前に横浜との決戦を乗り切った履正社に対し試合巧者の常総
学院が挑む形になるが、履正社・寺島と常総・鈴木の投げ合いに
なるのか?常総としたらロースコアに持ち込みたい。

 第1試合は初戦で前橋育英の投手陣を粉砕した嘉手納打線を明徳
義塾が迎え撃つ形だろうが、スキのない野球をする明徳がパワフル
ではあるもののアバウトな嘉手納にどう付け込むか。

 第2試合は勢いに乗る いなべ総合が秀岳館相手にどこまで食い
下がるかが焦点で、共に継投で臨むチームだけに継投のタイミン
グが勝敗を分けるか。

 第3試合は鳴門の河野を盛岡打線がどう攻略するかで打ち合いに
なったら盛岡有利だろうから、鳴門は河野がどこまで踏ん張るか。

 第1試合:嘉手納 5-13 明徳義塾

 3回に明徳は1アウトからヒットで出塁した2番が盗塁などで3塁に
進むと相手エラーで先制し、4回にはヒットで出塁した5番を7番&
8番の連打で返し追加点を上げると2アウト後1番の2点タイムリーで
4-0とリードを広げる。

 これで流れを掴んだ明徳は6回に満塁HRが出るなど長打攻勢で嘉手
納投手陣に18安打を浴びせ13点を上げる。

 嘉手納も1回に連打で作った1アウト1・2塁で4番が併殺、3回には
2つの四球で2アウト1・2塁から暴投で3塁に進んだ2塁ランナーが悪
送球でホームを突いたもののアウトになるなどチャンスを生かせず。

 ようやく7回に6番の2ベースで1点返すと8回には9番以下6連打で
4点を返すが時すでに遅かった。

 第2試合:秀岳館 6-1 いなべ総合

 2回に秀岳館はヒットで出塁した4番を6番のタイムリー内野安打で
返すと、3回には9番が2ベースで出塁してバント失敗後に3番の2ベー
スで2-0とリードを広げる。

 3回までランナーを出せなかった いなべは4回に相手エラーから
チャンスを掴むと1アウト2塁から3番の2ベースで1点を返し、6回
には先頭の9番がヒットで出塁しバント悪送球でチャンスが広がる
と思われたものの3塁を狙ったランナーが刺される。

 更に7回には先頭の5番が2ベースで出塁したものの後続を断たれる
と、8回に秀岳館が2番のヒットと相手エラーでチャンスを作り1アウト
後に5番のタイムリーで待望の追加点。

 その裏に いなべも1アウトから3連打で満塁とするものの得点できず
9回に秀岳館は3本の長打を集め3点を追加して6-1として勝負を決めた。

 いなべのゲームプラン通りの展開になっていたが6回~8回のチャンスを
逃した事からペースを手放す形になった。

 第3試合:盛岡大付 9-11 鳴門

 1回に盛岡は1番&3番のヒットでチャンスを作り4番のタイムリーで先制
すると、3回まで毎回ランナーを出しながら得点できなかった鳴門も4回
に6番の2ランで逆転すると更に2つの四球でチャンスを広げ1番の3ベー
スと2番のスクイズで5-1とする。

 ところが盛岡は5回に7番がヒットで出塁し野選でチャンスを広げると
四球で1アウト満塁から2番&4番がそれぞれ2点タイムリーで5点を上げ
追い付く。

 これで盛岡ペースになったかに思われたが7回に鳴門は2つの四球で
チャンスを作り6番のタイムリーで勝ち越すと、8回に2アウトから1番
のHRで7-5とした後に2番が歩き3番以下が2ベースを含む4連打で11
-5とリードを広げる。

 盛岡も9回に7回から登板した河野を攻め2番&3番の長短打に4番の
3ランで3点差にすると、1アウト後6番のヒットと7番以下が3連続四
球で2点差まで追い上げるが1番がPゴロ併殺打に倒れて試合終了。

 過去2試合同様壮絶な打ち合いを演じた盛岡だがポイントゲッター
だった5番が、ランナーを溜めた場面で2度の併殺を含めて悉く凡退し
打線が分断されたのが響いた。

 第4試合:常総学院 7-4 履正社

 1回に常総は履正社の先発・山口を攻め1番が2ベースで出塁し2アウ
ト後4番が歩いて1・3塁から5番の2ベースで先制すると、2回にも7番
がヒットで出塁しバントと四球で1アウト1・2塁としたところで履正
社はエースの寺島を投入するが1番&3番の長短打で一気に3点を上げて
5-0と大量リードを奪う。

 履正社も2回に5番&7番のヒットでチャンスを作ると9番のタイムリ
ーで1点を返すが、5回に常総は3番が2ベースで出塁するとバントが
エラーを誘い暴投とバント野選で満塁からスクイズで7-1とする。

 その裏に履正社は2アウトから3ベースで出塁した5番が相手エラーで
返って1点返すと、6回にも2ベースで出塁した9番を2つの内野ゴロで
返して7-3と追い上げる。

 しかし5回まで7点のリードを貰った常総・鈴木は大量リードをバッ
クに大量失点しない投球を見せて9回に5番のタイムリーで1点返された
ものの、7-4で逃げ切るジャイアントキリングを演じた。

 序盤の常総の先制攻撃でゲームのペースが決まってしまった形だが、
悔やまれるのは4回に1アウトから四球&内野安打にヒットで満塁とチャ
ンスを広げたものの1番&2番が凡退して得点できなかった場面。

 ここ辺りで得点を挙げておけば終盤さらにプレッシャーをかけられた
だろうから、6回まで11安打を打ちながら1点づつの3点で止まったのが
響いた形だ。

 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (imapon)
2016-08-17 07:57:36
履正社を何処が止めるのかと思って見ていましたが、常総学院の見事な金星でしたね。
ドラフト級投手2人を持つ、起用の難しさが出た感じです。履正社各打者の打球の勢い、(あんなに鈴木昭投手が気持ちよく打たれるなんて)温まってからの寺島投手の快投と、やはり最強横綱である事は充分見せつけられました。
先制攻撃で試合を優位に進めた勝負の綾。とても面白い試合でした。
 
 
 
まさしくです (こーじ)
2016-08-17 23:42:09
>imapon様
先手必勝を地で行くような内容でしたね。

 履正社は2回戦の横浜戦で勝った事から立ち上がりエアポケットに入ったような形でしたが、そこに付け込んだ常総の攻撃は見事でしたね。
 
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