渡瀬恒彦 死す

渡瀬恒彦さん、７２歳で死去　映画、ドラマで幅広く活躍

　今日の新聞に俳優の渡瀬恒彦氏が14日に胆のうがんのため72歳
で亡くなったという記事が載っていた。

　渡瀬恒彦といえば個人的には80年の大激闘マッドポリスで初めて
見ていたのだが、81年のセーラー服と機関銃で薬師丸ひろ子の後見
役というイメージが強かった。

　とはいえ主役だけでなく仁義なき戦いや敦煌の李元昊のような敵
役もできたわけで「ピッチャーに例えると自分がボール気味のストレ
ートしか投げられないのに対し、弟はスライダーやフォークを投げら
れる」と兄の渡哲也が語っていたのが分かる。

　空手二段で芸能界一の腕っ節の持ち主といわれ‘館ひろしらクール
スのメンバーを川に投げ捨てた'などの武勇伝には事欠かず危険なアク
ションシーンでもスタントマンに任せずに演じる反面、南極物語で共
演したタロとジロの犬を自宅に引き取って飼育しただけでなく撮影後
も飼い続けたという情に厚いところもあったようだ。

　最近は十津川刑事シリーズをはじめタクシードライバーの推理日誌
シリーズなどの2時間ドラマや、通常ドラマでも おみやさんやザ・
公証人などシリーズものの主役が最近では多く年齢を重ねたならでは
のキャラが多かった。

　最近TVであまり見ないなと思っていたら胆のうがんを患っていた
ようで、むしろ兄の渡哲也の方が膠原病から始まり直腸がんや肺気腫
など病気が続いていただけに弟の渡瀬恒彦の方が先に亡くなるとは思
わなかった。

　こういった強面や優しさなど幅広いキャラを演じ分けられる俳優は
貴重な存在だっただけに、本当に残念で冥福を祈るしかない。