マイク・タイソン世紀の敗北から30年

 今から30年前の今日90年2月11日に東京ドームで行われた統一
世界ヘビー級タイトルマッチで、王者のマイク・タイソンが挑戦
者のジェームス・バスター・ダグラスに10RKO負けでタイトルを
失う世紀の番狂わせ‘が起きた日である。

 タイソンは2年前の88年3月に来日しトニー・タップスを2RKO
した印象が強く、今回も6月か10月に行われる予定だったイベン
ダー・ホリフィールド戦に向けた調整試合的な位置付けだったの
で‘タイソンが何ラウンドで倒すのか’というのが唯一の焦点だった。

 ただ試合前の公開スパーリングでパートナーのグレイグ・ペイジ
のパンチを受けてダウンするなど2年前からすれば考えられない事
が起きるなど不穏な雰囲気ではあったし、体重もベストより重いた
め‘大丈夫か?’とは思ったが両者の地力からして少しぐらいタイソ
ンのコンディションが悪い方が試合を楽しめると多くのファンは
楽観的に見ていた。

 試合が始まると即決型のタイソンの動きが重く長身を利したダグ
ラスのジャブに手こずり懐に飛び込めず、逆に右ストレートやアッ
パーをもらう展開が続き徐々に番狂わせの雰囲気が漂い始める。

 そんな中で迎えた8Rにダグラスが出て来た所にタイソンの右アッ
パーがカウンターで炸裂するとダグラスがダウンするのだがレフェ
リーのカウントが意外に長く、何とか立ち上がったところでラウン
ド終了のゴングが鳴りダグラスは命拾い。

 ダグラスには確実にダメージが残っていると思われたので9Rで
試合は終わるだろうという雰囲気の中、意外にもダグラスが反撃し
左フックが当たるとタイソンがふらつき倒すどころか倒されるかも
という雰囲気になってきた。

 そして10Rにダグラスはもみ合いから右フックをヒットしたのに
対しタイソンが左フックを振るって来たところにダグラスの右アッ
パーが炸裂してアゴが跳ね上がると、そこに左右フックがヒットし
タイソンは遂にダウンすると何とか立ち上がろうとしたものの10
カウントが数えられ世紀の番狂わせが起こったのだった。

 ダグラスが強かったのかといえば次のホリフィールド戦であっさ
りとKO負けしてタイトルを失っているのだから、やはりタイソンが
コンディション調整に失敗しての敗戦だったという事になるのだろ
うが当時のタイソンは育ての親だったカス・ダマト門下生のケビン
・ルーニーやビル・ケイトンらで形成されていたチームタイソンが
崩壊していた影響がモロに出た形だ。

 こうしてみると、どんな強い男でも ちょっとした事でここまで
ダメになるのかと実感した一戦だった。

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