大場政夫の個人的・最高試合から50年

 今から50年前の昨日72年6月20日に日大講堂で行われたWBA
フライ級タイトルマッチで王者・大場政夫が、1位オーランド・
アもレスを5RKOし4度目の防衛に成功した。

 挑戦者のアモレスは28勝19KOを誇る黒い恐怖と言われたパナ
マの強打者で、実際立ち上がりからパワフルな左右フックを振
るって前進し左フックでダウンを奪いバッティングで大場は額
から出血。

 ピンチに思われた大場だが2Rに右ストレートでダウンを奪い
返すとペースを奪い返し荒々しいフックを外しながらジャブか
ら1・2で迎え撃ち左フックまで返すコンビネーションを見せ、
迎えた5Rに左フックから右ストレートで後退させるとロープ際
に詰めて15秒間に30発もの連打を浴びせ逆転KO勝ちしたのだ。

 70年10月にベルクレック・チャルバンチャイを13RでKOして
タイトルを奪取した大場だが初防衛戦ではベツリオ・ゴンサレ
スのアップテンポなスタイルに翻弄され辛勝、2度目の防衛戦も
フェルナンド・カバネラを圧倒しながら倒しきれずタイトルを
奪取した頃からは不完全燃焼という評価をされていた。

 もっともゴンサレスは後に3度世界タイトルを奪取する強豪で、
カバネラも1位でバンタム級でも世界挑戦していたし当時は小林
弘・西城正三・沼田義明と立て続けに世界王者が敗れていく中
での防衛戦だった。

 一方で当時よく行われていた世界戦の合間のノンタイトル戦で
今なら世界ランカーにあたるだろうスイス王者フリッツ・シュル
ペやメキシコ王者ロッキー・ガルシアを倒しており、特にガルシ
ア戦はサンアントニオで2Rにダウンを奪われながら9Rに一気に3
度のダウンを奪って逆転KO勝ちしていた。

 3月にライバル花形進との接戦で競り勝って迎えた1位との指名
試合だから、パナマの強打者という事から苦戦も予想する評論家
もいた。

 しかしダウンを奪われながらも強打者に打ち勝つ力強さを見せ
つけたこの試合は72年度の年間最高試合に選出されるに相応しい
内容で、22歳という若さからどこまで強くなるのかと思わせたの
だった。

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