フリー4階級で出場逃す=レスリング五輪予選
日本時間の6日から8日までイスタンブールで行われていたリオ
五輪のレスリング最終予選では日本男子は6日のグレコローマンに
続き8日のフリーでも2位までに与えられる出場権を獲得できず、
グレコ&フリー共々6階級中2階級づつの出場枠に終わり全6階級
で出場権を獲得した女子とは明暗を分ける形になった。
こうなると巷では‘女子に比べて男子は云々’という不毛な比較
論が巻き起こるのだが、正直言って階級が変更になった時から個人
的には厳しいものになるとは思っていたので驚くほどの事ではない。
ロンドン五輪では7階級あった男子の階級が女子の階級が4から
6に増えたあおりで6に減らされる事になり、最軽量級がフリーでは
55㌔から57㌔に上がったため日本が得意にしていた軽量級の枠が
減ったというもの。
メダル量産種目だった頃のレスリングだが日本が金を取った最重
量級はモントリオール・フリーの74㌔級・伊達治一郎で、メダルに
なるとソウル・フリーの90㌔級・太田章という事になるので50㌔
台が1階級に減ったというのは日本にとって痛いわけだ。
しかもアジアは元々強豪だったイランや韓国にインドだけでなく
カザフスタンやウズベキスタンなどの旧ソ連勢がアジアに参入して
いるから一気に層が厚くなっているし、更に最近では強豪国の選手
達が他の国に流出し帰化して出場するという事まで行われていると
いう事情がある。
そんな中で以前と変わらない強化体制なのだから五輪への道が
遠のくのは当然だ。
逆に言えば今回出場枠を取れた階級は高谷惣亮などメダルを取れ
る可能性が高い選手が登場するわけだから、もはや‘出場するだけ
で満足'という選手では出場できないぐらいレベルが上がった事を意
味する。
競泳が五輪で決勝に残れるタイムを参加標準記録にしたからこそ
レベルが上がり、五輪でメダルを狙える位置にいる選手が増えたわ
けで逆に言えばメダルを狙えない選手は出場できない事になった。
レスリングはローマで金を取れず奮起した結果4年後の東京では
グレコ&フリーで金を5つ取った事があったのだが、東京五輪を控
えたリオの予選で苦戦というのは4年後に向けての雌伏の時なのか
もしれない。