稀勢の里「集中して」=大相撲夏場所、14日初日
明日から大相撲夏場所が始まる。
今場所の注目は先場所劇的な逆転優勝を飾った横綱・稀勢の里の
3場所連続優勝なるかと、東関脇・高安の大関挑戦といった田子ノ浦
勢の2人が注目になるだろう。
稀勢の里は先場所の13日目に日馬富士戦で敗れた時に左上腕部を
痛めたが千秋楽に星1つの差で追いかける大関・照ノ富士に本割&
決定戦で連勝し、逆転優勝を飾ったもののケガの治療のため春巡業
を休場するなど調整不足を心配されている。
たしかに稀勢の里は左四つ右上手が得意な形で右上手を取れば磐
石といわれるものの、それを引き出す強烈な左からのおっつけが左
上腕部のケガにより威力が半減している可能性が高く万全の状態で
本場所に臨めているわけではないだろう。
ただし休場明けで1年ぶりの優勝を狙う最大のライバル・白鵬も
決して万全ではないし、他の2横綱・日馬富士と鶴竜もケガや取り
こぼしが多いので優勝争いは混沌としている。
一方の大関陣だが豪栄道はカド番で多くを望めないし先場所カド
番から優勝争いをした照ノ富士も稀勢の里がケガをした13日目に
古傷の膝を脱臼していたとの事で、膝のケガというのは上腕筋を痛
めていた稀勢の里よりも深刻だろうから今場所も優勝争いをという
雰囲気ではないから優勝争いは4横綱を中心にしたものになると思
われる。
一方の高安だが過去2場所が11勝、12勝と通算23勝を挙げて
いるので3場所通算33勝という昇進規定を考えれば今場所の昇進
ノルマは10勝となるのだが、気になるのは先場所12勝を挙げて
優勝争いに加わったときに3連敗を喫しているように調子に乗れば
連勝があるものの連敗癖も見られる。
最初の挑戦となった昨年の九州場所では2桁はおろか負け越して
いるのも不安材料で、この時の教訓を生かす事ができるのかが焦点
だろう。
とりあえず初日が大栄翔で2日目がカド番大関の豪栄道なので、
特に豪栄道戦がカギを握ると思うし中日まで1敗ぐらいで付いて
行ければ十分大関取りのムードになって来るのではないか。