先日ある会社の会長さんが来店し1時間で終わるように言われた。
この会長さんは客待ちで過ごすのを嫌がるタイプだしシャンプー
なしだけでなく、2週間に1度というローテでの来店だから髪型も
揃える程度で本来30分もかからないのに1時間というのは髪を切
りながら寝たいというのがあったのだろう。
実際カットを始めると寝始めていたのだから間を持たせるために
決して濃いくないヒゲを30分近くかけて剃る事により、施術時間
の引き伸ばしにかかったのだ。
濃いヒゲを早めに剃るのは難しいが、薄めのヒゲを時間をかけて
剃るのも意外に大変だ。
ここで役に立つのが業務歴37年のキャリアで福岡市内での6年
間の修行中に培ったノウハウが、まさか役に立つとは思わなかった。
ヒゲ剃りに時間をかける理由の1つは先述したように寝るために
来店した客にじっくり休んでもらうためだが、もう1つ福岡時代に
理由があった。
それは師匠が麻雀好きで平日の15:00前になると5軒ほど先に
ある麻雀屋に出かけるのだが、たまに師匠がカットしないと納得し
ないお客さんが来店する事があるのでヒゲ剃りから先に始めるハメ
になる。
その間に呼びに行くと基本的に麻雀の真っ最中だから30分は戻
らないと覚悟する必要があるし、30分以上かけてカット&シャン
プー以外の施術を行うのだがヒゲが濃いと何とかなる一方で薄い場
合は時間をかけて剃るのは厳しいものがあるのだ。
我々の仕事はカット・シャンプー・ヒゲ剃り・ブローという流れ
で行うのだが、全体の時間調整のカギを握るのはヒゲ剃りでコレの
サジ加減で早くも遅くもできる。
4年前に父が亡くなって1人営業という事から、最近は早く剃る
ケースが多い中で久しぶりに時間をかけるヒゲ剃りをしたのだった。