やはり名作のリブート版は難しい  

 10日にWOWOWでベン・ハーの59年版と、16年版が続けてOA
された。

 当日コチラは大雨の予報だったので特に16年版の時間帯は残念
ながら来客がなくフルに見る事ができたのだがCGなど映像的には
進化しているものの、やはり59年版のイメージが強いし比べてし
まうわけで改めて名作のリブート版は難しいと思ってしまう。

 まず59年版は224分もの長編なのに対し16年版は141分なのだか
ら時間的に物足りないし、時間に制限があるため戦車競走のシーン
を中心にした作りにしたのはいいが他のエピソードが薄っぺらに
なってしまったのは仕方ないのかもしれない。

 驚いたのは戦車競走で敗れ重傷を負ったメッサラが片足を切断し
た状態で死なずにジュダの妹・ティルザと一緒になる描写があった
のだが、原作ではメッサラは死なないらしく59年版の影響力が強過
ぎるというのが分かるのだった。

 また短縮されたからかガレー船の漕ぎ手だった時にアリウス艦隊
総司令官に見い出されて足枷のカギを外された事から船が沈むもの
の、総司令官を助けて養子に迎えられるという設定が全てカットさ
れていたのは残念だった。

 そして59年版でキリストが後姿のみで声も出させない演出が神々
しさを醸し出していたのに対し、16年版はモロに顔出しさせてセリ
フも喋っていたのを見ると妙な感じだった。

 そういえば史劇のリブート版では十戒とエクソダス:神と王や、
アラモなどがあるが共に映像的にはリブート版が優れている一方で
チャールトン・ヘストンとクリスチャン・ベールやジョン・ウェイ
ンとビリー・ボブ・ソーントンでは共に前者の貫禄に敵わない。

 アラモではデヴィ・クロケットがアライグマの毛皮の帽子を被っ
ているのだが、04年版では被っておらず‘あんなのはいつも被るもの
ではない’と語っているように史実では04年版の方が正しいのだろう。

 つまりリブート版の方が原作や史実に忠実な作りになっているの
だが、少しばかりの脚色が却って作品の壮大さを際立たせているの
が分かるし演じた俳優の力量の差もあるだろう。

 そして以前も記したように群衆シーンは以前は大勢のエキストラ
を動員していたのに対しリブート版はCGによる合成シーンになるの
だが、やはり本物の人間を動員した生身の迫力を改めて実感するの
だった。

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