狙われない街から1年

 今日は12月10日、昨年のこの日は土曜日でウルトラマン
マックスの24話・狙われない街がOAされた日でちょうど
1年になる。
 ご存知のとおりウルトラセブンの8話・狙われた街の続編
として当時の監督・実相寺昭雄が演出した作品であると共に
今年11月29日に亡くなった実相寺監督のウルトラでは遺作に
なった作品だ。
 マックスはリメイク怪獣や宇宙人が多い作品でもあったが
‘メトロン星人が40年前にセブンに倒されたが生きていて’
という仰天モノの設定に驚かされた。
 朝の掃除中からしっかり見ていたのだがセブンの続編とい
う事ならばと思って息子達と見る前に‘狙われた街’を見せ
予習をさせてからマックスを見せたものだ。
 セブンだけでなく怪奇大作戦での実相寺作品でおなじみの
シーンが色々と出ていて‘オオッ’と思う場面が多々あって
十分堪能できたものだ。
 六平直政や寺田農、堀内正美などの実相寺役者も健在で特
に寺田農がメトロン星人の人間体を演じるとは思わなかった。
 マックスとメトロン星人が夕陽の中で向き合うシーンは、
どう見てもこれから戦う感じには見えなかったし実際戦う事
なく迎えの円盤でメトロン星に帰って行くのは予想できた。
 マックスでは33,34話で飯島敏宏監督が自ら脚本を書いた
バルタン星人が登場するエピソードがあったが、こちらも最
後にはバルタン星人を元の姿に戻して帰還させる話があった。
これはもうバルタン星人をウルトラマンの対戦相手としては
出さないという決着の付け方をしているように見える。
 これらはオリジナル版の監督ならではの特権だろうし、だか
らこそ他のリメイク怪獣の話とは一線を画す事ができる。
 この日の夜に行われた某特撮ファンサイトのチャットでは
メトロン話に花が咲き、かなり遅くまで盛り上がったものだ。
 突然暴れて気を失うのは‘狙われた街’
 P.S.R.I「警察科学研究所」は怪奇大作戦のSRI「科学捜査
研究所」で堀内正美演じる研究員はSRIの牧のムードあり
またP.S.R.Iの表札の映し方はSRIの表札と同じ映し方
 携帯ではないが電話が原因の事件は怪奇大作戦4話・恐怖の
電話がある
 寺は‘狙われた街’でアンヌのおじさんの葬式が行われて
いる。
 古いアパートは‘狙われた街’でダンとメトロン星人が
ちゃぶ台を挟んで話し合っていた場所。
 などざっと書き出しただけでもこれだけの過去の作品への
オマージュがあるのだ。
 まさか監督が自分の病気を知っていて‘これが最後になるかも’
と思ってメトロン星人を帰したのかもしれないし、自分の作品への
オマージュを多く入れたというのは穿ちすぎか?
 それでもヒーロー・ウルトラマンよりも最後はやられてしまう
怪獣や宇宙人の方に思い入れが強かったとしか思えない作品が多い
実相寺作品では当然の帰結かもしれない。
 だからこういう素晴らしい作品をリアルタイムで見られたのは凄い
幸運だと思うのだ。
 
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
そうだったんですかあ (ゆう)
2006-12-10 23:51:18
いやあ、そうだったんですかあ。マックスは観てなかったんですが,ミク○イで御知り合いになった方もおっしゃっておられましたが、結構興味をそそられる様なエピソードもあるようで、レンタルで借りて観ようかなと思いますねえ。
 
 
 
Unknown (まみ)
2006-12-11 04:50:00
このEPは私も大好きです♪
昔のを知ってても知らなくても、面白いです。
映像も綺麗だし。
六平さんや寺田さんや松永管理官さんの役者さんもよかったです(>▽<)。よかったな~このEP♪
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2006-12-11 09:39:37
>ゆう様
 ぜひぜひ、この話は必見ですよ。
 見る前にセブンの‘狙われた街’を見ると更に面白いですよ。
>まみ様
 実相寺作品の映像は独特ですからね、分る方はツウですよ。
 役者がいい味を出すのが実相寺作品の特徴でもあります
 
 
 
Unknown (うるぱぱ)
2006-12-12 19:32:59
これだけ伝統的なシリーズになると、当時の作品の
続編やオマージュも楽しめるのが魅力ですよね。

それ以外でも実相寺監督の作品はティガの時から
独特の世界観が素晴らしかったです。

記憶に残る作品を今になってチェックしてみると、
大概 実相寺監督の名前が出て来るんですよ。
あらためてすごい人だったんだと思いましたよ。
 
 
 
Unknown (ジャック振動)
2006-12-12 21:17:32
メトロン星人が地球に愛想つかして帰る、という発想がシニカルでいかにも実相寺監督らしいと思いました。
 戦わずにバイバイして帰るというのも、可愛くてなんともいえず好きです。

 お亡くなりになったのは悲しいことですが、メトロン星人をメトロン星に帰すことができたのは、監督にとってきっとよかったことだと思えます。
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2006-12-12 23:43:57
>うるぱぱ様
 局側の評判は決してよくなかった実相寺監督ですが、
円谷一監督や金城哲夫さんらのバックアップでこうした名作ができたとも言えます。
 円谷の懐の深さはこの頃からですね。
>ジャック振動様
 ‘あいつホントは悪いやつじゃないと思うんだ’とは
六平直政演じる刑事のセリフですが監督のメトロン星人への感情だったのかもしれませんね。
 だから結末はだいたい読めましたよ。
 
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