‘バルサ化’に失敗した神戸と鳥栖

今季わずか1得点の鳥栖、カレーラス監督の退任を発表! 後任は金明輝コーチが再登板する方向へ

 今年のJ1が開幕して10試合が経過しているが最下位に沈む鳥栖の
ルイス・カレーラス監督が、5月5日に解任された事が話題になって
いる。

 確かに今シーズンの鳥栖はJ1の10節終了時で1勝1分8敗の最下位
となっており何より深刻なのは、10試合で僅か1点しか撮れてない
という深刻な得点力不足に陥っている事だ。

 しかもフェルナンド・トーレスやイサック・クエンカに金崎夢生
といった得点力のある選手達を抱えていたにも拘わらず10試合での
1得点だけに事態は深刻で、J1残留という事を考慮すると解任も止
むを得ないだろう。

 それにしても鳥栖だけでなく神戸も先日ファン・マヌエル・リー
ジョ監督が解任されるなど、スペイン人選手を加入させてバルセロ
ナのようなポゼッションスタイルを標榜した両チームが結果を出せ
なかったのはどういう事だろうか。

 昨シーズンからJリーグでは神戸がアンドレス・イニエスタを獲得
したのに続き今シーズンからはダビド・ビジャまでが加入しルーカ
ス・ポドルスキ―ら豪華な攻撃陣は注目を集め、バルセロナのよう
なポゼッション型のチーム作りを目指し話題の中心になった。

 鳥栖も昨シーズンからフェルナンド・トーレスが加入しスペイン
のような攻撃的なポゼッションスタイルで戦う事を示唆するような
雰囲気で、マスコミやサポーターを含めて概ね好意的に報じられて
いたのだが鳥栖に関しては大きな問題を抱えていた。

 というのも鳥栖は もともと豊富な運動量をベースにしっかり守り
カウンターで挙げた得点を守り切るというスタイルで、薄い選手層
にも拘わらず昨シーズンを除いて残留争いに巻き込まれる事はほぼ
なかった。

 ところが今シーズン‘より得点力を上げる’という事で監督に攻撃
サッカーを標榜するカレーラス監督を招聘したまではよかったが、
スタイルが中途半端な感は拭えずにズルズル負けが込み始めたの
だからたまらない。

 もともと日本人はショートパスをつないで崩すというポゼッショ
ンスタイルは好きだからバルサ化というフレーズを無条件で受け入
れて大いに期待していたのだが、残念ながらバルセロナのパス回し
はガンガン相手を崩して行くのに対し日本のパス回しは止まってパ
スを受けるケースが多いので少しプレッシャーをかけられると極端
にボールを取られる事を恐れて止まった状態でパスを受ける事にな
りバックパスが増えたりして‘得点のためのパス’ではなく‘ボールを
失わないためのパス’になりがちだ。

 つまりバルセロナのようなスタイルを確立するにはジュニア世代
から突破のパスをつなぎまくるスキルが必要になるわけだが、こう
いった事は一朝一夕には定着しない。

 元スペイン代表選手を多数加入させてスペイン人監督を招聘して
指揮を取らせても、根本的な部分ができてないので監督の攻撃での
イメージと選手達の持つイメージが合ってないのが現状だろう。

 特に鳥栖などは昨年までとはスタイルがガラリと変わった事から
余計にピッチで選手が混乱しており、DFの甘さも そこから来てい
るようにしか思えない。

 バルサ化は決して悪くはないものの神戸や鳥栖がやっている事は
表面だけという感じが拭えないし、どうせやるならユース世代から
手を付けないと中途半端な状況では百害あって一利なしだと思うの
だが…

 

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