ロジャー・ムーアさん死去=「007」3代目ボンド―89歳
007シリーズ3代目ジェームズ・ボンドを演じたロジャー・ムー
アが89歳で亡くなったというニュースが今日の新聞に載っていた。
私が最初に映画館で007シリーズを見たのは74年の黄金銃を持つ
男で、既にジェームズ・ボンドはロジャー・ムーアになっていたわ
けだからボンド=ムーアという事から全く違和感がなかった。
当時007シリーズの新作公開が近付くと よくTVで特番がOAさ
れていた時代だったし、一方で月曜ロードショーなどではショーン・
コネリー版007シリーズがOAされて見比べる事ができたのだがタフ
でワイルドなショーン・コネリーに対しエレガントでユーモラスな
ロジャー・ムーアとは友人達との間でも好みが別れていた。
ちなみに吹き替え声優はショーン・コネリーが重厚な若山弦蔵だ
ったのに対してロジャー・ムーアはユーモラスな口調も得意な広川
太一郎だったというのも絶妙だったし、これを聞いただけで両ボン
ドの違いが分かる。
ショーン・コネリーが2度死ぬまでとダイヤモンドは永遠にの計
6本なのに対し、ロジャー・ムーアは死ぬのは奴らだから美しき獲
物たちの計7本と最多主演数を誇るわけだが年齢はムーアの方が年
上だったようでオクトパシーと美しき獲物たちの頃になると50代
後半だったわけだから さすがに辛そうだった。
007シリーズ以外ではバート・レイノルズやファラ・フォーセット
らと競演したキャノンボールが知られているが、個人的に最も驚いた
のは83年公開のピンクパンサーシリーズ5・クルーゾーは2度死ぬだ。
クルーゾー警部を演じていたピーター・セラーズが3年前の80年に
亡くなっているので‘クルーゾーを誰が演じるのか’と思っていたら
何と整形手術後という設定でロジャー・ムーアが演じたのだった。
それを考えると かなりの芸達者で単なる007役者ではないという
のが分かるし、007シリーズをメジャーにしたのがショーン・コネ
リーなら発展させたのがロジャー・ムーアだったという事だろう。