上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

畜産農家の経営を守るための支援策拡充を!・・・6月議会に意見書(案)を提案

2023-07-10 17:23:32 | 熊本市議会
6月定例熊本市議会に、日本共産党熊本市議団から「畜産農家の経営を守るための支援策拡充を求める意見書(案)」を提案
熊本市は県内有数の畜産地帯であり、乳用牛をはじめとして肉用牛、豚、鶏などが飼養されています。
家畜の飼育・管理は、季節や昼夜を問わず行われるため、家族的又は小規模な経営体制においては、過重労働となっています。
このような畜産業の特質に加え、作業従事者の高齢化や後継者不足によって経営離脱も増加しており、担い手や労働力の確保と併せて飼養管理施設の高度化等が生産基盤の強化が求められています。
さらには、昨年からの物価高騰の影響によって、コストが増える一方で、それが価格には転嫁できずに厳しい経営をせまられる状況になっています。
そんな酪農家への支援強化を求めて、意見書案を提案しました。
残念ながら、自民党・公明党・維新の会などの反対により、否決されました。

【意見書(案)全文】
畜産農家の経営を守るための支援策拡充を求める意見書(案)
 畜産分野では、もともと輸入に依存していた配合飼料がすでに一昨年から高騰していました。さらに、昨年より輸入乾燥牧草や哺乳用粉ミルク、電気代、燃油、農業機械などの畜産に欠かせないあらゆる資材が高騰し、過去にない生産コスト高となりました。一方、農畜産物価格は、コスト増を価格に転嫁できないままに低迷しています。乳価は横ばい、肉牛生産農家の経営困難により子牛の買い手がつかず、子牛価格が暴落するなど、酪農家はかつてない困難に直面、次々に廃業に追い込まれるような状況にあります。現状のまま、国の対策が取られなければ、全国の酪農家戸数が1万戸を切るのも時間の問題という危機的状況です。畜産は、国民の命と健康に不可欠な新鮮な牛乳や肉、卵などを提供するだけでなく、家畜排せつ物は土壌の微生物にとって“主食”であり、農畜連携でなければ、持続的な農業は成り立ちません。畜産の危機は、農業危機とも言えます。
 これまで政府が補助金まで出して行ってきた生産調整(減反)によって、自給率の低い麦や大豆、飼料用米、牧草などの転作をすすめてきたことは、国内での飼料生産を落ち込ませ、輸入に頼らざるを得ない状況を作り出してきました。そこに、輸入飼料や牧草などの価格が高騰し、今後は資料の入手さえ危ぶまれる状況になっています。倒産や離農が全国で数多く生まれている中で、とりわけ、畜産経営の倒産や自死等は深刻です。すべての畜産農家が経営を継続するためには、緊急かつ更なる支援が必要です。
よって、政府として以下の点について、緊急かつ特段の措置を講じるよう要請します。
1、 肥料・飼料・燃油などの価格高騰に対する特別対策を緊急に実施するとともに、中長期的には農業資材の国内産への転換をめざすこと。
2、 当面は配合飼料価格安定基金への財政支援を強め、補てん財源の不足が生じないようにし、高騰が長期化する場合、高騰前の価格を基準に補てんできるよう抜本的に改善すること。
3、 政府として乳価の大幅引き上げをメーカーに要請するとともに、生乳生産費が販売収入を下回った場合は差額を補てんする「酪農マルキン」制度を創設すること。また、加工原料乳の補給金単価を引き上げること。
4、 乳製品の輸入を減らし、国産の備蓄を増やすなど政府の責任で生乳需給の安定をはかること。
5、 輸入飼料に依存する大規模化に偏重した畜産経営から、畜産政策の基本を日本の大地に根ざした中小家族経営を重視する方向へと転換すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
コメント (1)
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