上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

大規模災害時に対応できる総合的な「防災基本条例」に・・・・市議会最終日の討論

2022-09-30 15:15:57 | 熊本市議会
9月30日、9月5日から開催され26日間の会期で開かれてきた9月議会が終わりました。
今議会には、昨年度2021年度の決算も報告されていたために、予算決算委員会では総括質疑も行われました。
日本共産党市議団として、2名の一般質問の場があり、充実した議会となりました。
今日の最終日は、「景観審議会条例改正」についての質疑と、2021年度決算への討論、新たに制定される「防災基本条例」についての討論を行いました。

熊本地震発生を踏まえ、相次ぐ大規模な災害が発生する中で、「防災基本条例」が制定されることは賛成です。
しかし、よりよい条例となること、よりよい運用につながっていくことを求めて、意見を述べました。

「防災基本条例」の上位法となるのは、「災害対策基本法」です。「災害対策基本法」は、国民の生命、身体及び財産を災害から保護し、もって、社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的として、
昭和34年の伊勢湾台風を契機として昭和36年に災害対策関係法として制定されました。法律制定以前、防災行政が充分な効果をあげることができなかったという防災体制の不備を改め、災害対策全体を体系化し、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図ることを目的として制定され、その後、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、災害対策をさらに強化する改正が行われました。
この「災害対策基本法」を踏まえた総合的な条例とすることが必要です。
よって、以下の点を指摘しました。
⑴基本条例というにはあまりにも内容が不十分です。防災基本条例というからには、災害対策基本法の構成にも倣い、総合的な視点で、防災に関する組織について規定することや、防災計画を条例に位置付けること、その上で、災害の予防、災害の応急的対策、災害の復旧をきちんと定めておくべきです。
⑵基本理念や役割の基本を「自助、共助及び公助」としています。国の「災害対策基本法」は、「公の責任」を一番にはっきりと位置付けています。本市条例でも、基本理念に「公の責任」を明確にし、「市の責務」として一番に規定すべきです。
⑶「防災」の部分で、具体的な内容がほとんどない。防災に関する組織や防災計画を条例に規定しておくべき。
⑷応急対策の内容も不十分です。応急対策の中身とその実施責任を明らかにすることが大切です。そのこと抜きには、大災害時に総合的な対応を滞りなく行うことは難しい。広域プラス各級機関との連携、物資・資機材の確保・供給等、避難所に限らないすべての被災者保護など、応急対策の全体を網羅すべきです。
⑸復旧についても、実施責任を明確にしておくことが必要です。その上で、防災計画に定める復旧を滞りなく実施すべきです。
⑹第4章に「多様な性の尊重」が明記されていることは、評価したい点です。しかし、一歩進めて、国会の付帯決議に基づき、具体的な参画の方針を明記すべきです。

防災基本条例は、熊本地震も含む大規模災害も想定する条例として、防災・減災、災害応急対策、災害復旧、被災者援護、等を総合的に網羅しておくことは、不可欠のものです。
指摘した点を踏まえ名実ともに総合的な条例へと拡充するよう求めました。


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高層ビル建設をすすめるプロジェクトで、熊本らしいまちづくりができるでしょうか?・・・予算決算委員会報告

2022-09-29 19:41:17 | 熊本市議会
高さ制限を緩和する「まちなか再生プロジェクト」の問題点
熊本市がすすめている「まちなか再生プロジェクト」は、熊本商工会議所及び熊本経済同友会が提言した、2050年を目標とする熊本市の中心市街地ビジョンが描かれた「熊本市中心市街地グランドデザイン2050」をもとに、くまもと都市戦略会議が取りまとめた「3つの戦略」と「10のプロジェクト」をすすめる一つです。 
通りからセットバックにより、公開空地を設けたり、防災機能を強化することや、ビル内貫通通路やオープンテラスなどの賑わい創出空間を設けることなどによって、容積率を積み上げ、計画期間の10年間は最高1000%までの容積率を可能とするものです。
現在熊本市では、この制度の対象物件として、8つの建物の整備が実施・計画されています。うち、3つのビルが高さ制限を超え、約60メートルから70数メートルのビルが建てられます。
計画期間の10年間に、100棟の老朽ビル建て替えを目標にしているので、その2割から3割でも、20~30棟の高層ビルが建てられることになります。
しかも、現在対象となっている8件のうち、5件がホテルです。高層ホテルをどんどん乱立させて、本当に街の活性化になるのでしょうか。
また、大半が県外企業によるものです。
対象物件となった建物は、解体と建設に対し、固定資産税が初年度補てん(補助)される財政支援があります。
県外の大手ホテルチェーンには税金を負けてやり、地元の中小企業がコロナ禍に倒産・廃業していくような状況でいいのでしょうか。
コロナ禍で、現在熊本の空き店舗数は最大になっています。
この状況を変えるためには、ビル建て替えへの破格の支援ではなく、地元中小企業への事業継続への支援こそが必要ではないでしょうか。
予算決算委員会のしめくくり質疑では、「まちなか再生プロジェクト」による高層ビル乱立のまちづくりが城下町の景観を壊してしまう方向へと進むこと、しかも、中心市街地だけがにぎわい熊本市全体の人口減少には歯止めがかからないこと、「まちなか再生プロジェクト」では空き店舗も解消せず地元経済は活性化しないことを指摘し、地元企業応援の経済政策実施を求めました。



*質疑全文は、後日「日本共産党市議団HP]に紹介します。
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「生理の貧困」解消へ、熊本市役所全フロアーへの設置

2022-09-28 19:31:55 | 熊本市政
新日本婦人の会はじめ、市民団体のみなさんと取り組んできた「生理の貧困」の解消。
今年度から、教育委員会では予算化してすべての学校トイレに設置をしました。
続く形で、市民局男女共同参画課でも、すべての公共施設への設置をめざして取り組んできました。
この度、9月27日から、市役所本庁舎の地下1階から14階まで、すべてのフロアーに設置が始まりました。
議会棟にも早速設置されました。
声をあげてよかった。そんな前進です。
取り組んだみなさんと一緒に喜びたいと思います。
どうぞ、みなさんお気軽にご利用ください。
引き続き、すべてのトイレ個室への設置となっていくよう、取り組んでいきたいと思います。

 
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上げ続けた安倍元首相の「国葬」反対・中止の声

2022-09-27 20:31:58 | 住民とともに
9月27日、今日は安倍元首相の「国葬」当日です。
昨日は、辛島公園で「国葬反対!政治と旧統一協会の関係の徹底解明を!」集会実行委員会の主催による、市民と野党の共同集会が行われました。
日本共産党からは、松岡勝県委員長があいさつしました。
辛島公園の集会の後、下通りをパレードしました。
本日27日は、「9・27国葬反対スタンディング実行委員会」主催による熊本市中心商店街・下通入り口での国葬当日!抗議の熊本スタンディング行動が行われました。
参加者一同、「国葬反対」「国葬、今からでもやめよ」の声を上げ続けました。
国民多数の反対を押し切って、根拠のない国葬を閣議決定という無法なやり方で強行した岸田政権。
憲法違反の「国葬」をやった罪は重い、そのことは今後も問われ続けます。

  
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熊本市長選に向けて、杉並区長選挙に学ぶ

2022-09-26 19:08:52 | 住民とともに
10月30日告示・11月13日投開票で行われる熊本市長選挙に向けて、9月24日に「熊本市をよくする市民の会」主催で、学習交流会が開かれました。
会場となった市民会館にはたくさんの参加者、お話をされたのは「住民思いの杉並区長をつくる会」の事務局長を務められた東本久子さん。
杉並区長選挙は、今年6月19日投開票で行われ、3期12年続いた現職を破り、新しい女性市長が誕生しました。
児童館の廃止や再開発問題などがある中、コロナの真っ最中に軽井沢で業者とゴルフをしていたことも問題となり、市民の怒りを買いました。
公約も、市民がグループワークでつくり、争点化していったこと。
短い期間に候補者を知らせるために、つくる会メンバーひとりひとりが、駅頭に立って訴えたり、チラシを配布したり、タウンミーティングを開くなど、意欲的に取り組まれたそうです。
20代から80代まで、年齢も対場も違う人たちが、その違いを乗り越え、社会を変えるために、みんなが対等平等な関係で取り組んでいったとのこと。
候補者は、公平・公正で、みんなから推される人、できれば40~50代の助成がいいねと言いながら、リストアップしてあたっていったとのことです。
2021年の総選挙では、杉並区の大半が選挙区となる東京8区で、自民党の石原伸晃氏が落選し、野党・立憲民主党候補が勝利したところです。
この度の杉並区長選挙は、その市民と野党の共闘の延長線上で行われた選挙でもありました。
ひとりひとりが主役となって、闘われた選挙で、市民の代表としての新しい区長が誕生したことには、たくさんの学ぶべき点がありました。

学習交流会では、熊本市内でさまざまな住民運動に取り組む方々の発言もありました。
日本共産党市議団からは、熊本市政の問題点を簡潔に述べさせていただきました。
大西市長がすすめてきた大型開発ハコモノ優先の市政から、暮らし・福祉・教育が優先される熊本市政へと、変えていくチャンスが迫っています。
広く、多くのみなさんと共同して、熊本市政を変えていきたいと思います。


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