確証はないのだけれど、就職活動のことを略して「就活」とは言うようになったのは今世紀に入ってからではなかろうか。
30年前は略さず「就職活動」と言っていた、と思う。
(恥ずかしながら、自分はろくに活動せず現実逃避していたので記憶が薄い…)
さらにもっと前は「就職」と「活動」も結びついていなかったのではないか。
学卒であっても「職探し」とか?
昔の映画とかテレビドラマとか観れば分かるかな。
「活動」という言葉には、計画的に順を追って事を進める意味合いが感じられる。
さらに「就活」という略語には「ゲーム感覚」が付与されたように感じられる。攻略法があったり、仲間内で情報を共有したり。「活」略語の元祖?学校時代の「部活動」略して「部活」と似た意味合いもあるのかな。目標に向かって全力投球な人もいれば、いやいややらされている義務的なイメージもあるような。
「婚活」「妊活」「終活」といった言葉も「就活」から派生したものと思われる。
計画的に順を追ってポイントを攻略する人生…自分には無縁だな…終活くらいはちゃんとしたいものだが。
一方、ライフステージにまつわる大きなことでなくても、昨今は様々な活動に「活」が応用されている。「就活」から「部活」という言葉を思い出して、趣味的活動に当てはめた感じかな。
(「就活」と「部活」の中間点に「パパ活」という言葉があった気がする…誰が言い始めたのだろう...)
うまいのもあれば無理やりでヘンなのもある。
「タピ活」(タピオカ)は定着したのか?
「サ活」(サウナ)は、ほかにサがつく言葉のブームが始まったら混同してしまいそう。
「腸活」(腸内環境)とか健康にまつわるものも結構あるような。
「ポイ活」(ポイント)は、「ポイッ」という語感が、ちまちまポイントを集めていく活動内容に合っている気がする。
「ヌン活」(アフタヌーンティー)はダメ。語感が内容と合ってないし、言葉を省略すること自体、人々がアフタヌーンティーに求める優雅さを損なっている。アフタヌーンティーを楽しめるお金も暇もあるのに、「ヌン活」とか平気で言える文化程度なのねと悲しくなる...というのは言い過ぎか。
総じて、一過性のブームとか安価なもの気軽なものに「活」はうまくハマる気がする。一方、不安や苦しみをともなう行為には、略語にすることで、それを軽減して前向きにする作用もあるような。