読んだ本の覚書
「『その他の外国文学』の翻訳者」(白水社編集部編)
図書館でたまたま借りた。
すごく面白くて思いのほかあっという間に読了した。
日本でメジャーとは言えない言語で書かれた文学作品を翻訳するということは、使命感とやりがいもいっそう大きくなるわけで、うらやましいなぁと思った。
語学と外国文学にシンパシーを持つ自分は、「文芸翻訳、いいな」と思った過去もあって、「ありえたかもしれない自分」を投影して読んだ面もあった。
と同時に「やっぱり自分はこうはありえなかった」とあらためて検証したりもして。
理由としては「一分野にしぼれず拡散していく性向」「縁がなかった」「勤勉でない」「我が強い」というところか。
「我が強い」というのは、ほかのことではそうでもないのだけど、文章においては断然「人より自分」、俺様なのである。
…というところが、この本の感想にもあらわれているなぁ(中身には触れず、自分事だけ書く)。
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「カニカマ人生論」(清水ミチコ 幻冬舎)
購入。すごく面白くてこれまたあっという間に読了。
この面白さはどこから?と思うに、「美は細部に宿る」というか、普通の自伝には描かれないような小さな思い出がクローズアップされる所がいいんですねー。
小さい頃の話は「ちびまる子ちゃん」をほうふつとさせるような。冷静な観察眼とこどもならではの思考回路。
クローズアップの一例として、「ジァン・ジァン」での、チケットを忘れての「善と立ち聞きは黙って行え」のところ、こういうのほど覚えてるんだよねーふだん忘れていてもふとしたときによみがえる。
あと、ミッちゃんが愛される理由があらためて分かったような。モノマネは対象になる人をありのままに愛することだから、無私なのよねー「私が私が」じゃない。普段から周りの誰に対しても「人の関心に関心を注ぐ」態度なんだろうなー(これは以前読んだ「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」にあって考えさせられたキーワード)
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2冊並べて、ふと「翻訳とモノマネは似ている」と思う。
対象への愛、細部へのこだわり、完全一致はありえない、特徴をつかむことが大切、やり方によって、本物(原作)関係者およびファンから怒られたり喜ばれたりする…?
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