宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

歌詞で知る感覚

2017年08月13日 | 音楽
先日来、くるりの「Liberty & Gravity」が気になって何回も聴いている。
わけわかんないけどとにかく好きだー。
歌詞は気にしてなかったんだけど、タイトルからしてすごい!と思ったし、時々聴こえる言葉も気になる。
で、遅ればせながら歌詞検索してなるほどなるほど。

分析して文章にすることはできないけど、分かるよー。
勝手な思い込みかもしれないけど。

岸田繁さんてすごく歌詞にこだわりを持って書いている人なのかと昔は思っていたのだけど、番組とか本とかで、とにかく音楽が先で、言葉は思ったことをそのままみたいなことを言っていて、驚いたと同時に、だからこそああいう感覚的に刺さる歌詞になるんだなーと思った。

初めて知ったのは「ばらの花」だけど(矢野顕子さんがカヴァーしていたから。って私ほとんどこのパターン(^^;)メロディーとかレイ・ハラカミのアレンジがすばらしいのはもちろん、歌詞にも私はちょっとびっくりしていたのだった。

「安心な僕らは旅に出ようぜ
思い切り泣いたり笑ったりしようぜ」

これ、断言してしまうけど、言葉を使う職業を目指していたり国語の成績がすごく良かったり「言葉が先」の人には書けない歌詞だなーと思う。
この歌詞の感覚、私、勝手ながらすごく良く分かるように思うんだけど、こういう言葉の並べ方をしていいんだ!という発想がそもそもなかった。

自分たちに「安心な」という形容をつけて、不安な気持ちをなだめる。
泣いたり笑ったりが自然にできない現状があるけど、「思い切り」したいと思っている。

言葉になっているのを見て初めて、その言葉が表す存在(感覚)に気づくわけで。
90年代以前は、そういう感覚自体が無かったような気がするので(少なくとも共有されてはいなかった)、こういうフレーズに触れたことがなかった。
「言葉が先」の人は、どうしても先人の言葉をなぞってしまうというか、自分の感情に既存の言葉でラベル付けしてしまうから、今まで名付けられていなかった感情を言葉で表すことには逆に不利になるんじゃないかと思う。

と、分類すると典型的(か分からないけどとにかく「音楽が先」とかではない)「言葉が先」な私としては自戒してみるのであった。

(付記:んーなんだか分かりにくくなってしまったが。常識的には「不安な僕ら」はあっても「安心な僕ら」はNGだし、「泣いたり笑ったり」は普通全力でやるものだから、わざわざ「思い切り」を付けるのはおかしいのだ。国語力テスト的常識では。だからテストで100点取りたい人はこういう言葉の組み合わせは避ける、というか発想しないと思う。だけど、この言葉の並びでこそ初めて実感される感情感覚が確かにあるんだなー、ということが書きたかった。...まだ的確でない気がするけど)

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また意味合いは違うけど、印象に残っている歌詞をついでに。
それはSMAPの「Joy!!」

「無駄なことを 一緒にしようよ」

という歌詞をいまだによく思い出す。
無駄を省いてーとか考えがちだからかなー(^^;
明るい中にもちょっと寂しげで投げやりな感じもあるメロディーが世相にもぴったり合っていた気がして、ひそかに後期SMAP楽曲の傑作のひとつ(他をよく知らないけど・・・)と思っているのであった。

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