東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

借地上の建物の財産分与で地主が無断譲渡と更新拒絶の通知

2018年03月12日 | 法律知識
 足立区内保木間で宅地20坪を賃借する影山さん(仮名)は夫婦で借地権付建物を共有していたが、昨年離婚してしまった。影山さんは慰謝料として夫所有の借地権付建物5分の3の分与を受けて、所有権移転登記を済ませた。すると元夫が11月に急死し、地主に文書で通知すると、地主が管理を委託する不動産業者から5年後の契約更新は拒否するとの通知が届いた。困った影山さんは東借連のホームページから足立の組合を知り、早速電話で相談した。

 組合では形式的には地主に無断で譲渡をしたので更新拒絶を通知してきたのだろうと説明する。しかし、影山さんへの借地権譲渡が離婚に伴う財産分与であり、土地の使用形態が従前と変わらず、地代も引き続き支払っていることなどの事情を考慮すれば、無断譲渡には当たらないのではと説明する。また、心配なら専門家に相談してくださいと助言した。

(東京借地借家人新聞より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国交省「民間賃貸住宅のトラブル相談対応研修会」開催 改正民法に対応した標準契約書案を解説

2018年03月12日 | 賃貸借契約
 国交省主催の「民間賃貸住宅の賃貸借関係をめぐるトラブル相談対応研修会」が2月22日に千代田区の全国町村議員会館で開催された。

 今回は平成29年の民法改正法に対応した「賃貸住宅標準契約書」、「原状回復のトラブルとガイドライン」の再改定版と「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」改訂版について3名の弁護士講師によって解説された。

 今回の民法改正により、「敷金の返還義務が明文化された」、「連帯保証人の極度額(保証人が保証する限度額)を書面等で保証契約を定めないと効力が生じない」、「住宅設備などの一部が滅失し賃借物の使用収益をできなくなった場合の賃料減額が明文された」、「契約期間中の賃借人が修繕を実施できる手続ルールの明確化」、「賃借人の通常使用や賃借物の経年劣化など賃借人の責めに帰すべき事由に生じたものは原状回復の対象にならない」こと等が説明された。

 賃貸住宅の標準契約書は民法改正に対応した契約書案が公表された。契約期間中の修繕(第9条)では、「乙(借主)は、本物件内に修繕を要する箇所を発見したときは、甲(貸主)にその旨を通知し修繕の必要について協議するものとする」などが新たに付け加わった。

 原状回復のガイドラインでは「賃借人に特別の負担を課す特約」については、賃借人の十分な認識と了解をもって契約することが必要で、限定的に解すべきとされた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする