コロナ禍の中で、借地や老朽化した借家を狙った底地買い買い事件が各地で多発している。首都圏の東京、神奈川、埼玉、千葉までターゲットになっている。底地買い事件は、通常の土地取引と比べ、利益の幅が大きいため、東証一部上場の不動産会社から地上げ屋と呼ばれる業者まで幅広く参入している。基本的な手口は「底地を買うか、借地権を売って明け渡すか、借家を明渡すか」の選択を迫る。借地借家人組合には様々な業者からの相談が寄せられている。
バブルが崩壊して、底地買い・地上げ事件が組合に頻繁に相談が寄せられるようになったのは、2000年以降である。バブル時代と違って底地買い業者のT社は、地主から底地を安く購入し、関西の地上げ屋を使って借地借家人を脅して、地主の底地を高く借地人に売りつけるか、借地権を安く購入する。借家の場合は僅かな立退料で追い出す手法をとっていた。
T社はその後、本社を大阪から千代田区永田町に移し、脅しの手法はさらにエスカレードし、2014年には三鷹市の借地人Mさんが底地の買取りも借地権の売却にも応じないと交渉を拒否すると、「貸したものを返せ」と近所に聞こえるように大声で怒鳴り、Mさん夫妻の後を追跡し、嫌がらせを行った。Mさんは組合に入会し、東借連の弁護団と相談し、T社に対し面談禁止の仮処分を行い撃退した。T社は、脅しを行った社員を辞めさせ、同様な脅しは行わなくなったが、強面で強硬な主張を繰り返す態度は変わっていない。
東証一部上場のS社のホームページを見ると、地主に対し、底地を所有していても収益性がないのにも関わらず、相続税評価額が高く、相続すると資産を減らしてしまう。早期の底地の売却を勧め、権利関係が複雑で、借地権者が複数いて維持管理煩わしさから解放されたいとの地主の悩みに応えている。同社は地代の集金・契約書の作成・更新料の受領支援等の管理もサポート料を取って行っている。地代の集金は受取地代の10%程度を報酬として受け取っている。
2000年代当初は、底地買い業者はT社の独壇場だったが、現在は数多くの業者が参入するようになり、競争が激しくなり、地主に対するセールスも活発になっている。借地や老朽借家は何時底地買い業者に売却されるかわからない。
(東京借地借家人新聞より)
バブルが崩壊して、底地買い・地上げ事件が組合に頻繁に相談が寄せられるようになったのは、2000年以降である。バブル時代と違って底地買い業者のT社は、地主から底地を安く購入し、関西の地上げ屋を使って借地借家人を脅して、地主の底地を高く借地人に売りつけるか、借地権を安く購入する。借家の場合は僅かな立退料で追い出す手法をとっていた。
T社はその後、本社を大阪から千代田区永田町に移し、脅しの手法はさらにエスカレードし、2014年には三鷹市の借地人Mさんが底地の買取りも借地権の売却にも応じないと交渉を拒否すると、「貸したものを返せ」と近所に聞こえるように大声で怒鳴り、Mさん夫妻の後を追跡し、嫌がらせを行った。Mさんは組合に入会し、東借連の弁護団と相談し、T社に対し面談禁止の仮処分を行い撃退した。T社は、脅しを行った社員を辞めさせ、同様な脅しは行わなくなったが、強面で強硬な主張を繰り返す態度は変わっていない。
東証一部上場のS社のホームページを見ると、地主に対し、底地を所有していても収益性がないのにも関わらず、相続税評価額が高く、相続すると資産を減らしてしまう。早期の底地の売却を勧め、権利関係が複雑で、借地権者が複数いて維持管理煩わしさから解放されたいとの地主の悩みに応えている。同社は地代の集金・契約書の作成・更新料の受領支援等の管理もサポート料を取って行っている。地代の集金は受取地代の10%程度を報酬として受け取っている。
2000年代当初は、底地買い業者はT社の独壇場だったが、現在は数多くの業者が参入するようになり、競争が激しくなり、地主に対するセールスも活発になっている。借地や老朽借家は何時底地買い業者に売却されるかわからない。
(東京借地借家人新聞より)