住まい連など住宅団体主催による「マンション関係法の改正、マンション管理・整備のあり方」セミナーが2月1日午後1時30分から東京都台東区内で開催されました。
坂庭住まい連代表幹事より開会挨拶がありました。講演1では、「区分所有法改正案のポイントと問題点」と題して、自由法曹団幹事長で東借連常任弁護団の西田穣弁護士より報告がありました。
区分所有法の改正の背景には、築40年以上の高経年マンションが現在137万戸から10年後には約274万戸、20年後には約464万戸に増加することが見込まれ、高経年マンションでは世帯主が70歳以上の住居の割合が5割を超え、管理組合の担い手不足や集会決議の困難化等が課題になっており、今回の法改正が全て悪いと考える必要はないと指摘。
その上で、西田弁護士は改善が必要な点として、「建替え決議の要件の緩和」と「賃借権を消滅させる制度の創設」の2点を指摘しました。賃借権の消滅については建替え決議が成立し、賃借人に対して賃貸借の終了を請求できるものとしてマンションの賃貸人を飛び越えて管理組合の理事長ができることになっている。賃借権の消滅させる制度は借地借家法の正当事由を後退させるもので、建替え決議に参加できない賃借人に対する保護が不十分である。補償金の算定についても疑問が残ると指摘し、現行の建物明渡請求訴訟の仕組みでも対応できると述べました。講演Ⅱでは象地域設計代表取締役の佐伯和彦氏が「建替えでなく長寿命化の追求が必要」とのテーマで講演しました。