2冊目の著書のタイトルは、その頃まだ一般的ではなかった「リラックス」を
入れて「リラックスで人生が変わる」だった。(同文館出版)大変売れた書評も
随分あっが、一時は「八重洲ブックセンター」の心理学部門で、1位になったほど
売れた本だった。その本を文庫化したいと丁寧なお手紙を頂き、私を訪ねてきた
のがKさんだったが、美しい文字で綴られた手紙の文面から推して、私は年配
の編集者だとばかり思っていた。ところ驚いたことに、愛らしい感じの方で
本当にびっくりした。
よく売れていたのでなかなか文庫になれず、多分その2年後にようやく文庫化され
そのタイトルは「セルフコントロール法」になったが、その文庫本は大変売れて
何度も増刷された。それがきっかけで、私は色々な出版社からの依頼が多くなったが
思えばKさんは私の恩人でもある。それ以来個人的にも親しくなり、私が開くパーティ
また個人的にも時々あって親睦を深めたが、昨日は私が誘って「世田谷梅まつり」
に来た。
一人娘の彼女はお母さんを引き取り、長年家庭で介護をしていたが、まる4年間も
仕事を止めて介護に専念していたようだ。昨年亡くなったが、その後の色々な整理
もまだ残っているそうだ。娘の様な年代だが波長が合う私達は、個人的にもお付き合い
は続いている。梅林をゆっくり歩きながら、色々おしゃべりしたが、亡くなったお母さ
んは「梅が大好き」で、遺品は梅の描かれたものが多いようで、「お母さんさにも見せたかったわね」と話した。時は流れて30年・・・15年前あるホテルでパーティを開いた
とき、可愛らしい753装束の坊や連れてきてくれたが、その子はすでに大学生になっ
た。花を見ながら、走馬灯のように様々な出来事が脳裏を駆け巡った昼下がりだった。