人生修行の旅

「笑って、野垂れ死ぬ!!」
そのために、この人生をどう生きて、この命を何に使うか?人生一度きりの生き方を実験中!!

ロンドンパラリンピックの旅⑦~目に見えない力を発揮したベン~

2012年09月18日 | 
 -60kgの日本代表平井選手はパラリンピックに出ることを目標に、

地道に努力を重ねてきた男だと思う。

その理由は、“寝技”にあった。

柔道の醍醐味の一つは、豪快に相手を投げる爽快感ともいえる。

ただ、投げ技というのは酷なものであり、ある一定以上のレベルになると

“才能”や“センス”というものが関わってくる。

トレーナーとして、いうならば瞬発力や爆発力である。

それが欠落していると、ある一定レベルになった試合で相手を投げるのは難しい。

だから、そのような選手は“寝技”を磨く。

寝技は、努力と反復トレーニングにより、技術が向上する可能性が高い。

平井選手が寝技で攻めるシーンを見て、多くの努力が見て取れた。

しかし、準決勝で惜しくも敗北。

3位決定戦では、イギリスのベン選手と対戦した。

イギリスの選手も注目して応援していた私の目からすると

平井選手が有利に思えた。



しかし、試合が始まり会場中に「ダンッダンッダンッダンッダン」と

地鳴りのするような足踏みが起き、「ベン、ベン、ベン、ベン」と大声援が起きた。

平井選手の仕掛けた技に対して、覆いかぶさるような形でベン選手が上になった。

会場が興奮を増す。

そして、そのまま抑え込み。

「いっぽん」の宣告。

不十分な抑え込みであったが、会場を埋め尽くす“ベンコール”がベン選手に、

不思議な力を与えた。

“応援”の力に後押しされた目に見えない力と平井選手の努力。

勝負の世界は厳しい。

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ロンドンパラリンピックの旅⑥~悔しいけど、悔いはない~

2012年09月18日 | 
 夕刻から準決勝以上の試合が始まった。

-66kgの広瀬選手の準決勝は、中国の選手だった。



相四つで組合い、試合がスタートする。

しかし、相手選手はすぐに組手を右から左にチェンジをして、

引き手側に相手を崩しながらの低い体落とし。

「いっぽん」

無情にも試合はあっけなく終わった。

悔しがる広瀬選手と呆然とする日本の応援団。

これが勝負の世界の厳しさである。




そして、その後に行われた3位決定戦。

開始一分過ぎに、小内巻き込みで有効。

その後はお互いに接戦が続くが、後半広瀬選手の技が掛け逃げとみなされ、

反則を受ける。

そして、反則のポイントが積み重ねられ、広瀬選手は残り1分で逆転を許し、

そのまま敗北をした。




試合後、広瀬選手が選手席に挨拶に来てくれた。

「悔しいけど、悔いはない」

その言葉に全てが集約されていた。





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