世間は右も左も、与党も野党も、統一教会は解散すべし一色ですね。このごろ私は悪口ばかり言ってきた朝日新聞ですが、昨日の朝刊に、世間のそういう風潮に逆らう記事があって、good jobと思いました(タイトル画像)
プロテスタント教会(日本基督教団)の牧師が、解散請求はおかしいという抗議文を政府に送ったと。「世論が盛り上がって政治的判断があれば権力が宗教を潰しにかかれるという今回の流れはやっぱり怖い」とも。
政治権力が、ある宗教法人がかなり怪しいことをしているからといって、解散までも命じることができるのか。一歩間違えれば怪しい宗教に対する異端審問にならないのでしょうか? こんなこと言うと大顰蹙かもしれませんが、宗教の多くは、世間の人々からみると、かなり怪しくかなり変なものなのでは?
現実にいくつかの宗教法人が、解散請求をどうみているのかが、同日の別の面に載っています。まとめると、真っ当な宗教法人も怪しい宗教法人も、反対ないし疑問とするものが多いようです。
当たり前ですが、良い宗教団体も怪しい宗教団体も、悪いことをすればお咎めを受けます。しかし憲法が宗教の自由を保障しているからには、責任を問われるのは悪い行為であって、悪い宗教ではないはず。そもそも政府も裁判所も、悪い宗教か良い宗教か決められないというのが、立憲主義の根幹でしょう。
オウム真理教のように大量殺人で刑事法に違反したときは解散もやむを得ないかもしれません。でも判例を普通に読めば、解散請求の理由となる法令違反は刑事法違反です。政府も初めはそう答弁していたのに、世論に迎合するように、民法上の不法行為も入ると。
宗教法人としての統一教会が解散になっても、統一教会がなくなるわけではありません。かえって統一教会側の資産隠しを招いて、被害者救済に困難をきたすとも。国家による宗教法人の解散は、オウム真理教のような場合にのみ許容される禁じ手に近いもののように思います。
なお前日(13日)の社説では、解散請求の意義や問題点をるる説明して「裁判所には迅速かつ丁寧な審理」を求めていますが、その賛否は明確にしていません。
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