野球漫画の新境地を開いた水島新治さんが亡くなった。享年82歳。
私が水島野球漫画を愛読したのは20歳代だった。まずハマったのが『野球狂の詩』 もう細かいストーリーは思い出せないが、東京メッツという貧乏球団が舞台というのが、それまでの野球漫画にはない設定。観客まばらな国分寺球場で勝ったり負けたりという普通の球団のあれこれだった。
お次の『あぶさん』の主人公は代打の景浦安武、40年前だから野球選手の年俸は今より安かったが、それでも年俸数百万円はヒーローには安すぎる。そして、お酒大好きあぶさんは、近くの居酒屋・大虎に入りびたり、そこでの店主や看板娘サチ子、他のお客さんたちとのやりとりという話だ。同じく貧乏球団で当時は弱かった南海ホークス所属という設定も良い。
『ドカベン』ももちろん読んだが、サクセスストーリー気味になっていくのが、私としてはちょっと(><) だから、異色の殿馬や岩鬼が好きだった。
何がなんでも頑張って最後は優勝を目指すという王道野球漫画ではない、普通の野球選手の日常が水島漫画のキーだったように思う。ご冥福をお祈り申し上げる。
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