明日の風

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出生率

2006-06-02 16:41:00 | 時評
05年の出生率は、史上最低だった前年から、さらに0.04ポイント低下し、1.25という衝撃的な数字でした。もちろん、子どもを産むか否かや何人産むかは「私事」であり、政府が干渉すべき事柄ではありません。しかし、この数字はやはり異常です。対策は2つの側面から唱えられてきました。
第1はお金の話です。これは、遅ればせながら、わが国でもそれなりのことはやってきた。20万円だった分娩費は30万円に引き上げられました。育児休業は1991年に制度が創設され、当初は無給で所得保障がなかったのが、現在は月給の4割は支給されている。(その後、それぞれ42万円と5割に)
もうひとつは育児環境ですが、こちらが大問題。改善どころかますます厄介な状況になっている。非正規雇用の拡大と異常な長時間労働、いったい日本の労働者はどこまで虐げられ働かされるのだ、ということです。子どもを産み育てるのは、非効率の最たるもの。こんな目先の効率至上主義の日本に全く合っていません。このままだと出生率はどんどん下がり続けるでしょう。
何が何でも、1日8時間労働は守る、年次有給休暇はいつでもすべてを取得できるという環境を作る、最低賃金をもっと引き上げることを本気でしない限り、大騒ぎが続くだけだと思います。
4年前、北欧を観光旅行しました。ご存知のように北欧は、少子化対策の成功例とみなされています。街の観光案内所が-首都などは別として-土日は休みだったり営業時間が短いのです。日本的感覚なら、観光案内は休みの日こそ必要なものですよね。ホテルの朝食も土日は始まりが遅い。あちらでは、観光客も大事だが市民の生活はもっと大切だということでしょう。
先程、「お金」は大きくないように書きましたが、この方面の対策もあれば正直うれしい。彼の地では大人1人につき子ども1人は無料という交通機関が珍しくない。しかも、だいたい中学生までは子ども扱いです。それでペイするのだから、大人料金は当然高い。また、彼らが安心して子育てできる代償として、社会保険料も含めて所得税は約5割、消費税は約2割という重い負担を甘受していることを忘れてはなりません。
結局、私たちが、たしかに便利ではあるけど効率最優先の生活パターンを続けるのか否かの選択だと私は考えます。
1.25という数字はキリが良くて覚えやすいので、この辺で下げ止まると良いのですが、まあ無理でしょうね。
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