森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

野良猫の死

2007-07-24 | 動物
今朝早く
いつもこの棟のお世話をしてくださっている上の階の方が、
私を呼びに来られた。
「駐車場で死んでるのは、お宅の猫ちゃんじゃないですか?」

私は一瞬めまいを感じて、その場を動けなかったが、
そう言えば今朝ベランダ猫は来てなかったし、
とっさに家の猫じゃないことも告げられずに
まさかまさかと湧き上がる不安を打ち消しながら
その人に付いていった。

駐車場に面した植え込みの中で死んでいたのは、
たまにこのあたりまで遠征してくる野良のボス猫だった。
何とのミックスなのか、見事なふわふわの毛をした太った黄色の猫。

一見して、身体の何処にも外傷が無いように見える。
車にはねられたのなら、一段高いその場所は不自然だし、
まるまる太った身体はそのままだから、衰弱死とは考えにくい。
考えられるのは心臓発作のような突然死か、或いは誰かの手によるものか。

ベランダ猫ではないことが分かって、安堵の気持ちからとっさに
「良かった」と思った自分がいる。

でも、この子だってきっと野良なんかじゃなければ、
誰かに愛されてもっと長生きできただろうに。
野良猫みんなのご飯を横取りして、いつもちょっとだけ憎らしく
思えていたけど、君のせいじゃないよね。
みんなみんな人間が悪い。

誰かが猫をゴミの収集車に委ねるのを見送りながら、
同じ命を粗末に扱っていることに、ただ為す術もない自分。
「ごめんね」と何度も心の中でつぶやきながら家に戻った。

それからすぐ、私はベランダ猫の飼い主さんに電話した。
近頃よくあちらからかかってくるけど、足の悪いお年寄りのわりには
外出も多いので、煩く感じられてはと私からはなるべくかけないように
していたけれど。幸い、猫は今朝も元気で家を出たらしいことが分かり
ホッとしたが、「まさか毒を盛られてはいないですよね?」とお互い
改めて不安になってしまった朝の出来事だった。 





もし私が飼い主だったら、絶対に外には出さないんだけど
他人のやり方に口を挟むわけにはいかない。
どうか気をつけてねと、猫ちゃんに言い聞かせるしかない。
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