昨日夕方7時ごろになって、ボランティアさんから連絡
が入り、シッポちゃんを今から退院させると言われた。
術後三日経ち、食事も摂れるようになったらしい。
運悪く、夜から雨になるというこんな日に戻されるなんて
と思ったけれど、一時間後にリリースする場所で待機する
ことになった。
結局、更に遅れて9時頃に到着したボランティアさんから
シッポちゃんのお腹には4匹の赤ちゃんがいたこと、その
胎児たちは病院の方針で依頼者に埋葬してもらうという事
を告げられた。
シッポちゃんの方は、放されるが早いかすぐに車から飛び
出して、猛スピードで夜の暗闇に消えていった。
しばらくは餌場にも近寄らないかもしれない。
胎児が入った白い小さな箱を渡された私と下の娘は、暫く
その場に呆然と立ち尽くしていたが、「お母さん猫が住む
近くの公園の隅にでも埋めてやって下さい」と仰ったボラ
ンティアさんの言葉どおり、今晩のうちに埋めようと決めた。
場所は公園ではなく、我が家のすぐ前にある植え込みの、空い
たスペースに。娘と二人でスコップと小さな鍬で深めに穴を
堀り、一緒に渡された線香に少しの間火を灯し手を合わせると、
首筋に冷たい雨のしずくがぽつりぽつり。
10時近くに全てを終えて部屋に座ると、胸の底に言い様のない
後悔と痛みが押し寄せてきた。
あの子達を殺すことになったのは、私が早く気づかなかった
せいだ。性別が判らずとも取りあえず早く捕獲を依頼すれば
こんなことにはならなかった。
男の子は野良の場合、去勢をしてしまうと縄張り争いに負け
どの道追われ追われて、流浪の果てに死に絶えると聞いてい
たとは言え、それでも何らかの対処はできたはずだった。
もう一つ、私はシッポちゃんの全ての歓びを奪ったのでは
ないかということ。可愛い子供にお乳をやることも、恋を
することももうないのだ。たとえ数ヶ月置きに妊娠出産を
繰り返しボロボロになっても、その方が幸せだったのかも
しれない。
シッポのお母さんも、手術後に里親さんに引き取られ、
結局、あれほど大好きでいつも一緒だった黒ちゃん(シッポ
の父親)と引き離してしまうことになった。
私たち人間は野良の命を守ると言いながら、結局人間の
自己満足のために動いているのではないか?
そんな疑問が心に渦巻き、深夜まで鬱々とした気持ちを
抱え床に就いてもしばらくそれは続いていたけれど、本格的
に降りだした雨の音に、いつの間にか眠りに就いていた。
朝には、一晩中降り注いだ雨が埋めた地面を均し、見ている
うちに気持ちを切り替えることに決めた。
ごめんね 赤ちゃんたち。お母さんのこと見守るからね。
そこで応援しててね。
が入り、シッポちゃんを今から退院させると言われた。
術後三日経ち、食事も摂れるようになったらしい。
運悪く、夜から雨になるというこんな日に戻されるなんて
と思ったけれど、一時間後にリリースする場所で待機する
ことになった。
結局、更に遅れて9時頃に到着したボランティアさんから
シッポちゃんのお腹には4匹の赤ちゃんがいたこと、その
胎児たちは病院の方針で依頼者に埋葬してもらうという事
を告げられた。
シッポちゃんの方は、放されるが早いかすぐに車から飛び
出して、猛スピードで夜の暗闇に消えていった。
しばらくは餌場にも近寄らないかもしれない。
胎児が入った白い小さな箱を渡された私と下の娘は、暫く
その場に呆然と立ち尽くしていたが、「お母さん猫が住む
近くの公園の隅にでも埋めてやって下さい」と仰ったボラ
ンティアさんの言葉どおり、今晩のうちに埋めようと決めた。
場所は公園ではなく、我が家のすぐ前にある植え込みの、空い
たスペースに。娘と二人でスコップと小さな鍬で深めに穴を
堀り、一緒に渡された線香に少しの間火を灯し手を合わせると、
首筋に冷たい雨のしずくがぽつりぽつり。
10時近くに全てを終えて部屋に座ると、胸の底に言い様のない
後悔と痛みが押し寄せてきた。
あの子達を殺すことになったのは、私が早く気づかなかった
せいだ。性別が判らずとも取りあえず早く捕獲を依頼すれば
こんなことにはならなかった。
男の子は野良の場合、去勢をしてしまうと縄張り争いに負け
どの道追われ追われて、流浪の果てに死に絶えると聞いてい
たとは言え、それでも何らかの対処はできたはずだった。
もう一つ、私はシッポちゃんの全ての歓びを奪ったのでは
ないかということ。可愛い子供にお乳をやることも、恋を
することももうないのだ。たとえ数ヶ月置きに妊娠出産を
繰り返しボロボロになっても、その方が幸せだったのかも
しれない。
シッポのお母さんも、手術後に里親さんに引き取られ、
結局、あれほど大好きでいつも一緒だった黒ちゃん(シッポ
の父親)と引き離してしまうことになった。
私たち人間は野良の命を守ると言いながら、結局人間の
自己満足のために動いているのではないか?
そんな疑問が心に渦巻き、深夜まで鬱々とした気持ちを
抱え床に就いてもしばらくそれは続いていたけれど、本格的
に降りだした雨の音に、いつの間にか眠りに就いていた。
朝には、一晩中降り注いだ雨が埋めた地面を均し、見ている
うちに気持ちを切り替えることに決めた。
ごめんね 赤ちゃんたち。お母さんのこと見守るからね。
そこで応援しててね。