10月2日日生劇場で、「カエサル」のゲネプロを観た(演出:栗山民也)。
塩野七生のベストセラー「ローマ人の物語」の中から、ユリウス・カエサルの生涯を舞台化した由(脚本:斎藤雅文)。
場面転換が多く、変化に富む舞台(美術:松井るみ)。
静かな弦の響きがいい(音楽:甲斐正人)。
原作を読んでいないので、いろいろと新鮮だった。
例えば主役のカエサルだが、どうも相当の女たらしだったようだ。こちらは何しろシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」と「アントニーとクレオパトラ」しか知らないのだから仕方がない。
ブルータスがカエサルの愛人の息子だったというのにも驚いた。しかも「ジュリアス・シーザー」に登場する高潔な人格者と、ここに描かれる男とは何という違いだろう。ここでは彼はただもう若くて経験に乏しく、コンプレックスを抱えて鬱々としている。恥ずかしいほど情けない奴。アントニウスに散々バカにされているし。しかし塩野さんが描いているのだからこちらの方が実体に近いのだろう。
キケロも今まで何となく描いていたイメージと違って軽い感じ。
役者では、何と言ってもカエサルの愛人セルヴィーリア役の高橋惠子が美しく、魅力的。
クレオパトラ役の小島聖は小柄だが声がよく通る。まだエジプトの女王になる前の、可憐な王女である彼女が、「運命が近づいてくるのを感じる」と語るシーンでは、こちらまで期待に胸が高鳴る。
大富豪クラッスス役の勝部演之と将軍ポンペイウス役の瑳川哲朗とは安定した演技で脇を固める。この二人の役者がいなかったら、この芝居はだいぶつまらなくなっただろう。
この日は2階最前列で見たが、実は18日にも行く予定で、今度は1階の前の方なので、どんな風に見えるか楽しみだ。それに芝居は生き物。日が経つにつれて変わっているところもあるかも知れない。
塩野七生のベストセラー「ローマ人の物語」の中から、ユリウス・カエサルの生涯を舞台化した由(脚本:斎藤雅文)。
場面転換が多く、変化に富む舞台(美術:松井るみ)。
静かな弦の響きがいい(音楽:甲斐正人)。
原作を読んでいないので、いろいろと新鮮だった。
例えば主役のカエサルだが、どうも相当の女たらしだったようだ。こちらは何しろシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」と「アントニーとクレオパトラ」しか知らないのだから仕方がない。
ブルータスがカエサルの愛人の息子だったというのにも驚いた。しかも「ジュリアス・シーザー」に登場する高潔な人格者と、ここに描かれる男とは何という違いだろう。ここでは彼はただもう若くて経験に乏しく、コンプレックスを抱えて鬱々としている。恥ずかしいほど情けない奴。アントニウスに散々バカにされているし。しかし塩野さんが描いているのだからこちらの方が実体に近いのだろう。
キケロも今まで何となく描いていたイメージと違って軽い感じ。
役者では、何と言ってもカエサルの愛人セルヴィーリア役の高橋惠子が美しく、魅力的。
クレオパトラ役の小島聖は小柄だが声がよく通る。まだエジプトの女王になる前の、可憐な王女である彼女が、「運命が近づいてくるのを感じる」と語るシーンでは、こちらまで期待に胸が高鳴る。
大富豪クラッスス役の勝部演之と将軍ポンペイウス役の瑳川哲朗とは安定した演技で脇を固める。この二人の役者がいなかったら、この芝居はだいぶつまらなくなっただろう。
この日は2階最前列で見たが、実は18日にも行く予定で、今度は1階の前の方なので、どんな風に見えるか楽しみだ。それに芝居は生き物。日が経つにつれて変わっているところもあるかも知れない。