ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「この雨 ふりやむとき」

2010-11-24 15:49:21 | 芝居
11月9日東京芸術劇場小ホール2で、アンドリュー・ボヴェル作「この雨 ふりやむとき」を観た(演出:鈴木裕美)。

作者はオーストラリア出身で、この作品はこれが日本初演。
かの国の戯曲を観るのは初めて。

面白くなるまでしばらくかかった。時間がフラッシュバックする流行のスタイルである上、4世代にわたる話で、同一人物を若い人と中年の人が演じるので、人間関係がつかみにくい。しかも場所がロンドンとオーストラリアを行き来するのに、装置は全く同じ。こういう内容の場合、字幕で「1988年ロンドン」などと説明するのが普通だが、それがないのでお手上げ。休憩無しの2時間5分で、4分の3を過ぎたあたりでようやく人々のつながりが分かった。確かに謎解きの快感も味わえたが・・・。観終わって系図を描いてみた。

またしても児童虐待の話・・・「ハーパー・リーガン」といい「ガラスの葉」といい、最近このテーマが多い。被害者は男の子だったり女の子だったり。

ガブリエルの夫の「忍耐力を試された」というセリフが印象深い。いい表現を知った。

舞台にひたひたと打ち寄せる水は、果たして必要だろうか。

或る家族の4代にわたる物語だが、4代目の若者の名前がアンドリュー・・・つまり作者の名前と同じ。ってことはこれは作者のルーツを辿る物語なのだった。
コメント
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