ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

フクシマの白い雪(ヒロシマの黒い雨)

2023-08-22 07:15:55 | 映画あれこれ
8月20日、阿佐ヶ谷Morcに行ってきて、
「東電テレビ会議 49時間の記録」と
トークショー 製作したOur Planet TVの白石草(はじめ)さん(女性)
を見て来た。

阿佐ヶ谷Morcの受付のところでは
(実は一週間前の「縁の下のイミグレ」のときから)
こんなかんじで、「東電テレビ会議 49時間の記録」の看板の後ろに、
黒板で、次の時間にやる映画「原発を止めた裁判長」の絵が
チョークで書いてある。




■映画(10:30~ 途中15分休憩)

で、映画の内容は、東日本大震災直後の
3月12日22時59分~3月15日0:06分までの
(これが49時間なのかな)
・福島第一原子力発電所
・福島第二原子力発電所
・福島オフサイトセンター
・柏崎刈谷原子力発電所
・東京電力本社
のテレビ会議を流す「だけ」の映画。

とはいっても49時間流すわけでは当然なく、
一部をかいつまみ、
前半 1時間47分
後半 1時間37分
にわけて、上映されている(途中15分間休み)



■トークショー
映画の後に、トークショー、白石はじめさんのお話
内容は、こんな感じ

・この映像、一番肝心なところで切れている
・当初、この映像は隠されていた
 朝日新聞の記者がこういうものがあるらしいと知る
 東京電力株主で、原子力発電に反対する人たちが代表訴訟
  →映像の保全命令が裁判所から出る
 2013年にマスコミに公表
  映像とっちゃダメ、USB差し込めないPCで見る
  →音声を書き写していた
 その後、一部Webに公開

・感想として
  日本の敗戦はこんな感じ?
   兵站(補給)の問題、混乱
   無線機が提供される→同じ周波数なので混信し、使えない

・今回の映像よりも前の部分:音声が付いていない

・株主代表訴訟とは別に、刑事裁判もある
 津波を予見できたかどうか→東電では2008年に議論している
  ちなみに、そのときの土木部門の部長は、吉田所長

・今回の映像よりも後の部分、15日24時間分、公開されていない
 その時の出来事:
  4号機が爆発
  残る人を決め、それ以外の人は、福島第二、あるいは遠くまで避難
  本店に菅首相登場!

・4号機は爆発したのに、なぜ映像は残っていない?
 →天気が悪かったから
 今残っている映像は、福島中央テレビのもので、
 これは遠くから撮影している
  →他局は近くにカメラを置いていたが、津波で流された
 1号機、3号機は天気が良かったから、福島中央テレビの遠くからのカメラ
 でも取れた
  →もし、この映像がなかったら、みんなは爆発を知りえていたか?

・作業員は、福島第二よりも、遠くまで逃げた人もいる。
 その人たちから聞いた話
 映画の中でも出てくるが、途中、物資が足りなくなり、
 「バッテリーを貸してくれる人」「車かしてくれる人」と、
 募集している。バッテリーも車も持っていたが、作業員の人は、
 それにさすがに応募できなかったとのこと。
 →それに応募するということは、自分のバッテリーや車はなくなる、
  すなわち、ここから出られないことを意味する。それは・・・

・1、3、4号機は爆発するが、実は、放射能汚染がひどかったのは、
 2号機
 →4号機爆発のときに2号機に傷がつき、そこから放射能が漏れた
 →2通りの風が吹くルートがあり、
   結局、福島には通常の600倍の放射能が流れた
   翌日の3月16日が福島県で高校の合格発表があり、
   その合格発表を見に行った人は、その放射能の中に行ったことになる。
   その日は、雪だった
   →ヒロシマの黒い雨のように、フクシマの白い雪といわれる

・甲状腺の調査を当時18歳以下だった子供に対して、行っている
 →350人ちょっとが、甲状腺の病気(がん)
 そのうちの一人、東日本大震災のとき、幼稚園生
  中一のときに発がん、手術(甲状腺半摘)
  高校生のとき、再発、手術(甲状腺全摘)
 将来の夢、結婚は考えられなくなり、一生独身で治療しながら生ける道を
 探した結果、大学に行って、公務員になる道を選ぶ。
 →高校生活は大学に入ることを目指して過ごす
 大学には入った。が、その後も治療は続く。
 全摘になると、アイソトープ治療というのをして、あえて放射能をのみ、
 がんを防ぐ治療をする。このときは、放射能が体から出るので、
 コンクリート張りの部屋に、1人とじこもって3日間過ごす

・東日本大震災が発生してから出荷検査するまで、数日あるが、この間
 野菜の線量が上がっていることが最近わかる
 今でも、富士山のキノコは、規制値を超えている



■感想

・たしかに、この映画、日本の敗戦の様子というか、大規模システムの
 失敗の「あるある」を示していると思う
  ・兵站の問題。バッテリー、車、現金足りない・・・とか
  ・なぜか正確な情報がとれない
     閉じたのか、閉じてないのか、よくわからない・・・
    →あるんだよねえ~
     見てくればすぐにわかりそうなことでも、わからない

・で、映画はあるあるなんだけど、そのあとのトークショーのお話
 におどろき!甲状腺がんって、そんなに大変なんだ‥
 むしろ、こっちの、甲状腺がんの被害にあっている人の、ドキュメンタリー
 のほうが、見たい!

 トークショーの話し手の白石さんが、「何か質問はありませんか」と
 きいて、誰も質問しなかったけど、
 質問しにくい映画です。はい(ある意味、想定の範囲内の映画だから)。
 それより、甲状腺がんのほうに、どうなってるんだろう?という
 関心があります。はい。


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