8月20日、阿佐ヶ谷Morcに行ってきて、
「東電テレビ会議 49時間の記録」と
トークショー 製作したOur Planet TVの白石草(はじめ)さん(女性)
を見て来た。
阿佐ヶ谷Morcの受付のところでは
(実は一週間前の「縁の下のイミグレ」のときから)
こんなかんじで、「東電テレビ会議 49時間の記録」の看板の後ろに、
黒板で、次の時間にやる映画「原発を止めた裁判長」の絵が
チョークで書いてある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/0b/1751e47cb30a7af082e895e5652d9e2c.jpg)
■映画(10:30~ 途中15分休憩)
で、映画の内容は、東日本大震災直後の
3月12日22時59分~3月15日0:06分までの
(これが49時間なのかな)
・福島第一原子力発電所
・福島第二原子力発電所
・福島オフサイトセンター
・柏崎刈谷原子力発電所
・東京電力本社
のテレビ会議を流す「だけ」の映画。
とはいっても49時間流すわけでは当然なく、
一部をかいつまみ、
前半 1時間47分
後半 1時間37分
にわけて、上映されている(途中15分間休み)
■トークショー
映画の後に、トークショー、白石はじめさんのお話
内容は、こんな感じ
・この映像、一番肝心なところで切れている
・当初、この映像は隠されていた
朝日新聞の記者がこういうものがあるらしいと知る
東京電力株主で、原子力発電に反対する人たちが代表訴訟
→映像の保全命令が裁判所から出る
2013年にマスコミに公表
映像とっちゃダメ、USB差し込めないPCで見る
→音声を書き写していた
その後、一部Webに公開
・感想として
日本の敗戦はこんな感じ?
兵站(補給)の問題、混乱
無線機が提供される→同じ周波数なので混信し、使えない
・今回の映像よりも前の部分:音声が付いていない
・株主代表訴訟とは別に、刑事裁判もある
津波を予見できたかどうか→東電では2008年に議論している
ちなみに、そのときの土木部門の部長は、吉田所長
・今回の映像よりも後の部分、15日24時間分、公開されていない
その時の出来事:
4号機が爆発
残る人を決め、それ以外の人は、福島第二、あるいは遠くまで避難
本店に菅首相登場!
・4号機は爆発したのに、なぜ映像は残っていない?
→天気が悪かったから
今残っている映像は、福島中央テレビのもので、
これは遠くから撮影している
→他局は近くにカメラを置いていたが、津波で流された
1号機、3号機は天気が良かったから、福島中央テレビの遠くからのカメラ
でも取れた
→もし、この映像がなかったら、みんなは爆発を知りえていたか?
・作業員は、福島第二よりも、遠くまで逃げた人もいる。
その人たちから聞いた話
映画の中でも出てくるが、途中、物資が足りなくなり、
「バッテリーを貸してくれる人」「車かしてくれる人」と、
募集している。バッテリーも車も持っていたが、作業員の人は、
それにさすがに応募できなかったとのこと。
→それに応募するということは、自分のバッテリーや車はなくなる、
すなわち、ここから出られないことを意味する。それは・・・
・1、3、4号機は爆発するが、実は、放射能汚染がひどかったのは、
2号機
→4号機爆発のときに2号機に傷がつき、そこから放射能が漏れた
→2通りの風が吹くルートがあり、
結局、福島には通常の600倍の放射能が流れた
翌日の3月16日が福島県で高校の合格発表があり、
その合格発表を見に行った人は、その放射能の中に行ったことになる。
その日は、雪だった
→ヒロシマの黒い雨のように、フクシマの白い雪といわれる
・甲状腺の調査を当時18歳以下だった子供に対して、行っている
→350人ちょっとが、甲状腺の病気(がん)
そのうちの一人、東日本大震災のとき、幼稚園生
中一のときに発がん、手術(甲状腺半摘)
高校生のとき、再発、手術(甲状腺全摘)
将来の夢、結婚は考えられなくなり、一生独身で治療しながら生ける道を
探した結果、大学に行って、公務員になる道を選ぶ。
→高校生活は大学に入ることを目指して過ごす
大学には入った。が、その後も治療は続く。
全摘になると、アイソトープ治療というのをして、あえて放射能をのみ、
がんを防ぐ治療をする。このときは、放射能が体から出るので、
コンクリート張りの部屋に、1人とじこもって3日間過ごす
・東日本大震災が発生してから出荷検査するまで、数日あるが、この間
野菜の線量が上がっていることが最近わかる
今でも、富士山のキノコは、規制値を超えている
■感想
・たしかに、この映画、日本の敗戦の様子というか、大規模システムの
失敗の「あるある」を示していると思う
・兵站の問題。バッテリー、車、現金足りない・・・とか
・なぜか正確な情報がとれない
閉じたのか、閉じてないのか、よくわからない・・・
→あるんだよねえ~
見てくればすぐにわかりそうなことでも、わからない
・で、映画はあるあるなんだけど、そのあとのトークショーのお話
におどろき!甲状腺がんって、そんなに大変なんだ‥
むしろ、こっちの、甲状腺がんの被害にあっている人の、ドキュメンタリー
のほうが、見たい!
トークショーの話し手の白石さんが、「何か質問はありませんか」と
きいて、誰も質問しなかったけど、
質問しにくい映画です。はい(ある意味、想定の範囲内の映画だから)。
それより、甲状腺がんのほうに、どうなってるんだろう?という
関心があります。はい。