8月、夏、コロナ禍はまだ続いています。いつもなら元気いっぱいの月なのに、何となく心が晴れない、そんなことはありませんか。なかなか「やる気スイッチ」が入らないとお困りではないですか。手元の本を眺めていたら参考になる話が載ってましたので、少しご紹介します。
実は「やる気スイッチ」は、脳の中の淡蒼球(たんそうきゅう)というところにあるそうです。でも、この淡蒼球は自分の意思でオンにすることができません。オンにするためには、次のように脳の別の場所を上手に刺激することが必要ということのようです。
■運動野(骨や筋肉に運動の命令を出す場所):まずは体を動かしましょう!
やる気は出るまで待っているものではなく、行動を起こすことで迎えにいくものです。勉強でも掃除でも、まずは身体を動かすことが大事です。もし、気分が乗らないときは、目を大きく見開いて、「にっ」と口角を上げ、スックと立ち上がり、こぶしを高くつき上げる(「テンコブポーズ」)。脳はだまされやすい性質をもっているので、体を動かすことで、つられて脳もその気になります。
■海馬(記憶に関わる場所):日常に変化を設けましょう!
海馬はマンネリな状態では元気になりません。読みたいと思ってそのまま本棚にしまい込んでいた本を読んでみたり、早歩きをしながら暗算をしたり、普段は通らない道を歩いてみたりなど、日常に変化を設けることで、海馬が活性化して、やる気にも火が付きます。
■報酬系(快感と関連する神経回路):ご褒美も一つの手です!
お手伝いを頼まれたとき、何かご褒美があるとはりきりますよね。勉強を1時間集中したら、とっておきのおいしいチョコを一つ食べるとか、報酬系が刺激されると「楽しい!」「気持ちいい!」「うれしい!」という感情が生まれ、「やる気スイッチ」もオンになります。また、誰かにほめられることでも報酬系は活性化します。ほめるって大事なんですね。
■前頭葉(感情や思考に関わる場所):思いを強くイメージしましょう!
自分の中の「こうなりたい」という思いを創造力豊かに心に描いてみましょう。その思いが強ければ強いほど脳は思い込むクセがあります。サッカーの大会で優勝したいという目標があったら、試合で活躍している様子や、表彰式でトロフィーを受け取っている姿を強くイメージします。なりきることで前頭葉がその思い込みにだまされ、連動して「やる気スイッチ」もオンになります。
じーっとしているだけでは、絶対にスイッチはオンにならないのは、スマホやパソコンが触っていないと画面が消えてしまうのと同じこと。始めることができれば、半分は終わったようなものとのことです。少々おっくうでも、とにかく始めてみましょう。
※参照図書:池谷裕二×ヨシタケシンスケ「モヤモヤそうだんクリニック」(NHK出版)